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Vol.2010-13 おめでとう!平田ファーム4年目の初優勝!


蕭一傑 選手

9月25日、阪神鳴尾浜球場でウエスタン・リーグ公式戦の最終戦が行われた。前日の中日戦で逆転負けを喫し、優勝へのマジック2が消滅。負ければ優勝の可能性が無くなる大事な一戦となった。

そんな最終戦に先発登板を果たしたのは、今季ウエスタン・リーグでチームトップとなる5勝を挙げている簫一傑投手。初回から三者連続三振に斬って取り、前半3回までノーヒットに抑えるなど、安定した内容を見せていたが、8回に3本の安打を許し、2-2の同点に追いつかれた。


矢野燿大 選手

チームが優勝を意識し始めてからは、ことごとく終盤に追いつかれ逆転負けをするケースが多かっただけに「今日もか?」と言う雰囲気が球場を包んだ。しかしこの日は違った。今季限りで現役引退を表明した矢野燿大捕手が8回裏に代打で登場し、重苦しいムードが一気に変った。

8回裏一死1塁、平田勝男ファーム監督が「代打矢野」を告げると、鳴尾浜球場に集まったタイガースファンから大歓声が沸き起こった。ドラゴンズのマウンドには一軍でも対戦経験のある久本投手だが、矢野選手は実戦から約4ヶ月間遠ざかっていた。しかしそこは42歳の大ベテラン。数々の修羅場や試練を数えきれないほど乗り越えてきて、現在の矢野燿大がある。見事に三遊間を破るレフト前安打を放ちチャンスを広げ、岡崎太一捕手がこの日3打点目となる決勝タイムリーを放ち、3対2と見事勝ち越しに成功した。


矢野燿大 選手

そして9回には同級生の下柳剛投手がマウンドに上がった。またこの日は金本知憲外野手も試合前、鳴尾浜球場に訪れ「アラフォートリオ」が集結した。ファームでは最初で最後となった42歳の球界最年長バッテリーは、二死1,3塁のピンチを招いたが、ここは老練なバッテリーの息でセサル選手を外角のフォークボールで三振に斬って取りゲームセット!矢野選手はいつも勝利の瞬間に見せる「矢野スマイル」で、下柳投手に駆け寄って抱き合い、絶対に落とせない最終戦をベテランバッテリーで締めくくった。

試合終了後、中日時代は先輩捕手であった中村コーチと、ファームで調整中の井端選手から花束の贈呈、そしてドラゴンズナインからの胴上げが始まり、今度はチームメイトからの胴上げが行われた。試合を終えた矢野選手は「プロの世界に入れてくれたのは中日で、中日での7年間が無ければ僕は無い。中日の選手にも感謝しています。野球人生を幸せに送れた。一軍も大事な時期だと思うし、機会があればと言う事でしっかり準備はしておきたい」と、30日のホーム最終戦(対横浜戦 甲子園)で行われた引退セレモニーに向けてトレーニングを継続していくことを誓った。

そして翌日となる9月26日、鳴尾浜球場で練習が終了した夕方に、マジック対象チームであるソフトバンクが中日に敗れたと言う“吉報”が届き、4年ぶりとなるウエスタン・リーグ優勝が決定した。そして平田ファームとしては4年目で初となる優勝となった。平田ファーム監督は「優勝が懸かった試合で、ことごとく逆転負けをしたのが痛かった。しかし選手達にとって、この緊張感の中でいかに自分の力を発揮出来るか、本当に良い経験が出来たし、この経験を糧にして一軍を目指して、自分の力を上で発揮出来る様に益々精進して練習に取り組んで欲しい」と最後の最後で優勝を決めた今季を振り返り、投打ともに成長著しい選手たちの更なる成長を期待した。また「コーチたちも選手と共に成果を上げるために一生懸命にやってくれた」とコーチ陣の頑張りも評価した。


矢野燿大 選手 & 下柳 剛 選手

そして優勝祝賀会が虎風荘内のロビーで行われ、平田ファーム監督はナインの前で「ここで一緒にプレーしていた選手が、今年ヒーローインタビュー(坂、上本、大和、秋山)を受けた。みんな絶対にやれる。絶対にやれるんだって!野球の神様が絶対に見ている、なかなか笑ってはくれないけど、練習をやっている選手はここって言う時に力を出しよる」と、若トラたちを力強い言葉で鼓舞をした。また沼沢昭二球団本部長は「チームとしての究極の目標は一軍の優勝。ただファームの優勝はその時のステップになる事は間違いない。この経験をまた甲子園でプレーする時にぶつけて欲しい」と激励した。


矢野燿大 選手

平田ファームは10月2日HARD OFF ECOスタジアム新潟で行われる「2010年プロ野球ファーム日本選手権」で千葉ロッテと日本一の座をかけて戦う。