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春季キャンプコラム

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2018.03.01
『底上げ』手応え!充実の打上げ

キャンプ最終クール 2月24日(土)~28日(水)

2月28日(水)沖縄・高知でまる1ヶ月に渡って行われた春季キャンプが終了した。密度の濃い鍛錬の日々を過ごして、個々の力がレベルアップした事は勿論、集団生活の中で選手間の絆も一層深まった。

限界点を追求せよ!

2月24日(土)浦添で今季のオープン戦が開幕。ほぼベストメンバーを並べた東京ヤクルトに対し、ベテラン勢やロサリオらを宜野座に残す阪神は若手中心の打線を組んで臨む。2回表中谷・4回表俊介の適時打でリードするも、ヤクルト・バレンティンの2打席連続本塁打などで4対2と逆転負けを喫した。

この試合では、2番ショートで先発した西岡が初回にいきなり三盗を決め、陽川も粘って2つの四球を選び単打で3塁を陥れるなど積極走塁が光った反面、逆転のきっかけとなったショート北條の失策など反省すべき点も多かった。

「1点リードで(北條の悪送球は)軽率と思われても仕方ない。軽いプレーに見えると言われても…。オープン戦で出て良かったと、そう思えるように内野手もピリッとして、これからやってくれないと。公式戦では許されない」。金本知憲監督は手厳しかった。内野フライやライナーで一塁走者が戻り切れず併殺になった場面が二度あったが、「(6回表走者)中谷の場合は難しい。スタート切ってるし。(8回表代走)植田の場合はミス」とケース毎に評価している。

走塁に関しては、まだまだ不満の様子で次のように話した。「剛(西岡)もね、良かった。走る意識がないと良い走塁が出来ないから。今はどんどんアウトになっていいから。島田なんか(3回表一死1塁。糸原の右前安打で)3塁まで行くべきよ。セーフ(確実に進める時)だけ行くんじゃない。若いやつが(積極的にどんどんトライして)アウトライン、デッドライン(自分の限界点)を見つけないと!」

凄まじい雨男

25日(日)中日とのオープン戦(北谷)には、福留・鳥谷・ロサリオがスタメンに名を連ねる。初回阪神が3者凡退に倒れたその裏、先発・藤浪が150km/h台の豪速球を連発していると突然豪雨に見舞われ中断。約10分後に再開されたが、再び大雨が襲ってノーゲームとなる。わずか9球を放っただけの藤浪だが、今季中日に移籍したかつての『甲子園の怪物』松坂は勢いある投球に「今日は良さそうに見えた」と感想を述べている。

昨季は先発予定が3度流れるなど雨には縁が深い藤浪晋太郎投手。「もはや貫禄すら感じる雨男っぷり…お祓いにでも行ってきましょうかね?」と苦笑いを浮かべながらも、「ちょっとアバウトな面もあったけど、全体的には悪くなかった。前回のブルペンでもバランスが良かったし、良いイメージで入っていけた」と手応えを口にしていた。藤浪の活躍無しに優勝はない!と言われる存在だけに、今後の登板から目が離せない。

27日(火)には、宜野座で今キャンプ最後の紅白戦が行われた。白組先発・小野は初回鳥谷・島田・糸原を3者三振。2回はロサリオらを抑えて2イニングを完璧に封じて、今キャンプの実戦登板を締めくくる。それでも、内容には「自分の理想とする真っ直ぐが少なかった。納得する球では三振が取れていない」と小野泰己投手は不満気だった。

この後、投げた岩田や岩貞も制球が安定せず、共に1回2失点と調整遅れを感じさせる投球となり、首脳陣の顔を曇らせた。キャンプの仕上げ段階に来て、未だに先発ローテーションが不透明な状況は、開幕へ向かうチームにとって心配の種である事は言うまでもないだろう。

90~95点ぐらい

「今年は執念というスローガンの下、リーグ優勝・日本一に向けて頑張っていきたいと思います。…本当に1ヶ月間ありがとうございました!」。最終日の28日(水)前日の紅白戦で髙橋聡の速球を豪快にレフトスタンドへ運ぶ会心の一撃を放ち、正捕手争いで一歩リードする形で沖縄の日々を閉じた新選手会長・梅野隆太郎捕手の音頭による一本締めで、宜野座キャンプの全日程が終了した。

「若手も結構伸びて来て、ベテラン・主力も去年より状態が良いような気がする」。金本監督が充実の1ヶ月を総括した。中でも、最大の収獲と言えるのが、新外国人・ロサリオに4番固定のめどが立った事だろう。「恐らく4番ロサリオで行くと思うけど、クレバーというか頭の良い打者で、工夫もあるし勿論パワーもある。打線の軸というか、1つの大きな軸が出来たような気がする」と迷わず、キャンプMVPとして真っ先に名を挙げた。

「韓国時代に2度沖縄キャンプは経験してるけど、今年もいい状態で健康に終わる事が出来た。3月からは違う時期が来るので、しっかりシーズンへ向けて体を整えていきたい」。26日(月)のフリー打撃ではスコアボードを直撃して一部を破壊するなど何かと話題の中心にいた助っ人もキャンプ自己採点は70点と控え目だ。ウィリン・ロサリオ内野手は、初めての宜野座キャンプ完走にホッとした様子であった。

指揮官はロサリオに続けて、「また、あと少し名前を上げるなら、投手は小野がかなり伸びて来てるな!というのと(野手では)大山くらいですかね」とプロ2年目・投打のホープを上がり目の選手に指名した。打撃面での成長著しい大山悠輔内野手は、侍ジャパン強化試合に備えるべく、石崎剛投手と共にキャンプ最終日を待たずに沖縄を離れている。

ベテラン勢にとっても充実の日々だった。昨季転向したサードでゴールデングラブを獲得するも、今季は大山の成長に伴いセカンドでの活躍が期待される鳥谷敬内野手は、「ケガなくプレーする事が出来て…。ポジションというより、しっかり体を作る。それが出来て良かった」と淡々と振り返る。キャプテン・福留孝介外野手も、とにかくチームにも大きなケガがなく自分自身も元気にキャンプ期間中を乗り切った事を大いに評価。「チームが優勝出来るように全力を尽くして」戦う事を誓って、1ヶ月に渡って鍛え抜いた宜野座の地を後にしている。

一方で金本監督は、誤算として先発投手陣が揃わない点を指摘。なかなか「安定して6人で回れる」というところまで目算が立たない現状が悩ましい。また、センターラインの競争で決め手に欠く事に関しても「チームとして不安なところ…決まりつつあるというポジションと、まだまだ競争というポジション」が混在している状態に苦笑いを浮かべた。

3月30日(金)の開幕まで約1ヶ月と迫ったが、「やっぱり先発の頭数というので、ちょっとそこは早急に対策を練らないといけない。あと、調整としては一回体をリフレッシュというか、落としてあげて」そこから全員が良い状態で公式戦を迎えられるように準備していかなければならない。

宜野座メンバーと同じく安芸キャンプを終えたメンバーも、この日関西へ帰ってきた。3月のオープン戦では、ファームの有望株にもチャンスが与えられる事だろう。残す開幕までの期間は流動的で慌しい。ここから先が本当の勝負!更に熾烈なサバイバルが待っている。