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若トラまとめ 北條選手

甲子園のスターにプロの壁

大阪府堺市出身。ボーイズリーグ時代は現・千葉ロッテ田村龍弘捕手とバッテリーを組み、共に青森の光星学院高へ。4番としてチームを引っ張り、2年生の春から4大会連続で甲子園に出場し、夏から3大会連続で準優勝という輝かしい戦績を誇ります。

そして2012年、最後の甲子園で決勝を戦った藤浪晋太郎投手とともに、ドラフト2位で阪神タイガースに入団。目標とする選手に鳥谷選手の名前を挙げ、その将来性に期待が集まっていました。

チームの方針もあり、ルーキーイヤーから積極的にファームのゲームに使われてきた北條選手でしたが、当初はさすがにピッチャーのレベル、木製バット、スタミナ面での「プロの壁」にぶつかり、体重も激減。苦しい1年間を過ごします。それでも大きな怪我もなく、着実にプロで生きる術を吸収していきます。

2年目のシーズンも、指定強化選手の北條選手はウエスタン・リーグでチームトップの102試合に出場。ヒット数(84)、打率(.259)、出塁率(.367)などでもチームトップの数字を残します。そしてこの年のオフ、21歳以下の日本代表に選出されて台湾での21Uワールドカップに出場することに。

 

「日の丸」で刺激!

平田勝男監督率いる当時の代表メンバーには、同級生の広島・鈴木誠也選手や年下の巨人・田口麗斗投手など、のちに一軍で大活躍を見せる刺激的なメンバーが揃い、北條選手も大いに触発されます。日本代表は準優勝に終わりますが、北條選手は三割を超える打率を残し、大会のベストナインに選ばれます。

未だ一軍経験のないまま迎えた3年目の2015年。春季キャンプでは初めて沖縄一軍メンバーに選出されますが、オープン戦で結果を残せずにこの年もファームで開幕を迎えます。それでもウエスタン・リーグでは、開幕からの約2カ月間で7本塁打を記録するなど、長打力を見せ、5月末に待望の一軍初昇格!しかし、代打で与えられたチャンスは一度だけ。5月28日対楽天戦(甲子園)での一軍初打席はファーストファールフライに終わり、翌日には再びファームへ戻ることになってしまいました。

悔しい思いを胸に、北條選手はこの年も、ウエスタン・リーグでフル回転。リーグトップの打席数をこなし、チームトップの安打数(98)、打点(43)を記録します。そして、迎えた秋季キャンプ。北條選手は金本新監督の前で猛アピールを見せ、原口文仁選手とともにキャンプMVP選手として名前を挙げられます

代打からチャンスを

迎えた2016年、「超変革」の流れにも乗り、春季キャンプ、オープン戦と北條選手のアピールは続き、プロ4年目にして念願の開幕一軍キップを手にします。待ちに待ったプロ初ヒットは、代打での起用が続いた今季4打席目、4月3日のDeNA戦(横浜)でした。

7回2アウト、先発・藤川投手の代打で打席に立った北條選手は、石田投手のスライダーを振り抜くと、打球はタイガースファンの待つレフトスタンドにライナーで飛び込みます。

プロ初ヒットがホームラン!その後も初スタメン(4/10・対広島戦・甲子園)でタイムリーを記録するなど数少ないチャンスでアピールに成功した北條選手は、自らの出場機会をその手でつかみ獲っていきます。

[2016/5/8] 9回裏、北條選手がレフト線を破るツーベースヒット!プロ初の3安打猛打賞!

6月に行われた交流戦からほぼスタメンに定着。そして7月27日の東京ヤクルト戦(甲子園)、不振でスタメンから外れていた鳥谷選手に代わって、一軍で初めてショートのポジションに就くことに!

「試合前は吐きそうなくらい緊張しました」という北條選手でしたが、高校時代から守り慣れた本来のポジションで軽快な動きを見せ、首脳陣を安心させます。

夏場もアピール!

そしてその充実感は、バッティングにも表れ、8月はコンスタントにヒットを量産。チーム最多となる28本を記録して、月間打率は.311という立派な数字を残します。

[2016/8/13] 5回裏、北條選手、レフト第2号ソロホームランで猛打賞を決める!

8月12日の中日戦(京セラD)からは、最終戦まですべての試合でショートのポジションを任されることに。9月に入ると、7日の巨人戦で澤村投手から甲子園でのプロ1号を記録するなど、月間3本のホームランを放ち、パンチ力もアピール。リーグ4位という悔しい結果に終わったシーズンの中で、来季への飛躍を感じさせてくれる「光」となってくれました。

[2016/9/7] 9回裏、北條選手が甲子園初アーチ!レフトポール際へ第3号ソロホームラン!

飛躍の第一歩

結局、北條選手の2016年シーズンは、規定打席に5打席足りませんでしたが、122試合に出場して385打数105安打5本塁打33打点で、打率は.273という成績に。本人の納得できる結果ではないかもしれませんが、過去3年間での一軍実績を考えると、十分ともとれる数字。

それ以上に、これからのタイガースを引っ張っていくような、頼もしい将来性を感じさせてくれる、充実したシーズンとなりました。

シーズン終了から間もなく始まった秋季練習では、金本監督からの「3割15本」という来季の目標設定をクリアするため、連日バットを振り込んでいます。

「相手に嫌がられるバッターになりたい」という北條選手は、一軍ではほぼ最年少。まだまだ発展途上。もう今から来シーズンが楽しみな存在です。

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