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秋季キャンプコラム

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2019.11.04
チャレンジの秋、スタート

10月28日(月)、甲子園での秋季練習を打ち上げ、みやざきフェニックス・リーグも閉幕。チームは30日(水)にキャンプ地・高知へ移動し、翌31日(木)からいよいよ秋季キャンプがスタートした。矢野阪神2年目のシーズンに向け、安芸の強い日差しの下、若手中心の選手たちは20日間の鍛錬の日々を過ごす。

虎キラーから、虎の戦力へ

29日(火)、ソフトバンクからトレードで加入した中田賢一投手(37)の入団会見が、西宮市の球団事務所で行われた。

2004年のドラフト2巡目で中日に入団し、2013年オフにFA宣言してソフトバンクへ。今季は一軍登板は1試合のみだったが、ウエスタン・リーグでは21試合に登板して6勝3敗、防御率3.02の成績を残し、最優秀防御率と最高勝率の2冠を獲得した。

阪神への移籍に、「1年間元気に投げられたので、このまま現役を退くことになると、後悔が残ると思っていた。何とか投げたいという思いがあったので、本当にありがたいです」と感謝の思いを口にし、「しっかりとしたプレーを見せていきたい」と意気込んだ。

通算100勝の実績に、日本一6度という経験。矢野燿大監督は、先発ローテーションの一角としての活躍と、「チームの手本になるタイプ」とベテランとしての存在感にも期待を寄せる。

背番号は、中日時代にエースナンバーとしてつけていた「20」に。「ルーキーでドラゴンズに入団した時も20で、愛着のある番号。プロ生活15年経つが、来季もルーキーのような溌剌とした気持ちでマウンドに上がりたい」と笑顔を見せた。

「チームの力になれるように」。阪神戦通算12勝の『虎キラー』が、来季からは矢野阪神を支える。

 

充実のキャンプ初日

31日(木)、安芸での秋季キャンプが初日を迎えた。

午前8時半、サブグラウンドに大山悠輔内野手ら5選手が姿を現すと、初日としては異例の早出練習を自主的に敢行。久慈・藤本両内野守備走塁コーチのノックを受け、約1時間汗を流した。安芸市からの歓迎セレモニー後に始まった全体練習でも、午前中はじっくり守備練習。今季の12球団ワースト102失策からの守備力向上へ、全力で取り組んでいく。

午後から行われた打撃練習では、新任の井上・北川両打撃コーチが熱血指導。リーグ最下位に沈んだ得点力不足解消を目指し、選手それぞれが課題と向き合う。投手陣も、ブルペンで精力的に投げ込んだ。中でも、矢野監督が「しっかり腕が振れていた。おもしろい、良いボールを投げていた」と評価したのが横山雄哉投手だ。2014年のドラフト1位投手が、左肩手術からの復活を期す。

 

全体練習後も個別練習を行い、選手たちがグラウンドを後にしたのは日が落ちてから。キャンプ初日を終えた矢野監督は、「みんな、しっかりした気持ちを感じるような一日を過ごしてくれた。いい顔で練習できていて良かった」と充実感を滲ませた。

指揮官が、今キャンプのテーマに掲げるのは「チャレンジ」だ。「何かに挑戦することは、春はすぐに実戦に入り難しいので、この秋でしっかり掴んで来季に持っていけるように。皆がチャレンジしていってくれたら、大きく変われる部分があると思う」。やがて実を結ぶ時を目指して、挑戦の日々が始まった。

バッテリーで喜びの受賞

31日(木)、三井ゴールデン・グラブ賞の受賞者が発表され、阪神からは西勇輝投手と梅野隆太郎捕手が選ばれた。

安定したフィールディングで失策0だった西は、初受賞。阪神の投手の受賞は、史上初めてとなる。「1年間バッテリーを組んできた梅野と同時に受賞できたことが嬉しい」と、球団初のバッテリーでの受賞を喜んだ。

梅野は、2年連続での受賞。129試合に出場し、日本新記録となる123補殺、リーグ2位の盗塁阻止率.370を記録した。「続けることに意味があると思っていたので、本当に嬉しい。一番誇れるのは補殺の記録かな」とうなずき、「キャッチャーとして大きな喜び」と西との受賞に頬を緩める。

「リーグ優勝、日本一と、チーム成績がついてのゴールデン・グラブ賞はまた一味違うと思うので、そこを目指して、また受賞できるように頑張っていきたい」

3年連続受賞となれば、球団史上初の快挙。何よりもチームを勝利に導くため、頼れる正捕手はさらなる高みを目指す。

レジェンドの教え

11月1日(金)、今キャンプで臨時コーチを務める山本昌氏が、グラウンドでの指導を開始した。

高知入りした前日夜には、宿舎で講習会を開催。矢野監督、キャンプに参加しているコーチと選手全員、揚塩球団社長はじめスタッフらが出席し、約1時間、自身の経験談や技術論を伝えた。

1日には、午前10時前にグラウンドに到着し、投手陣のキャッチボールをチェック。ブルペンでは、藤浪晋太郎投手や髙橋遥人投手らを熱心に指導し、野手陣にもスローイングのアドバイスを送った。

午後6時まで精力的に指導を行った山本昌氏は、「選手からたくさん質問していただいて、この時間まで休むことなくやらせてもらいました。すごくいい初日だった」と笑顔。「非常にムードが良く、ブルペンのレベルが高いと感じた」と阪神の印象を語った。

「経験や、自分がいいと思うことを選手に伝えて、引き出しを増やしてほしい。覚えておいてもらって損はないかなという話を、できたらいいかなと」

史上最年長の50歳まで現役を続け、219勝を挙げた球界のレジェンド。その教えを、選手たちは貪欲に吸収していく。