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秋季キャンプコラム

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2019.11.11
来季へ向けてのステップアップ

安芸での秋季キャンプは、第2クールから第3クールへ。連日の快晴の下、選手たちは野球漬けの日々を過ごしている。

感謝の思いでスタートラインに

4日(月・振休)、岡山市内のホテルでドラフト1位指名の西純矢投手(創志学園高)との入団交渉が行われ、仮契約が完了した。

交渉を終え、阪神入団が決まった西は「だんだん実感が沸いて、ここからプロ野球選手になるためのスタートを切ることができるのかなと思いました。周りの方々にサポートしていただいて今の自分があると思うので、感謝の気持ちを伝えたい」と感想を語った。

契約金は、家族のために。「お父さんが亡くなってから2年間、お母さんはすごく大変だったと思うので、今度は自分がお母さんを支えていきたい」と感謝の思いを口にする。

目指すは、先発完投型のピッチャーだ。「フォーム安定のために、下半身強化を重点的にやっていきたい。まだまだ体は弱いと思うので、一回りも二回りも大きくなれたら」と、現在は週1か2でウエイトトレーニングに励んでいるという。

「1年目から、一軍で1試合でも多く投げることが目標。12球団の中でも熱狂的なファンの方々がいらっしゃると思うので、プロの舞台で、自分らしいピッチングをしているところを見ていただけたらと思います」

大きな夢を胸に、18歳の新星がプロのスタートラインに立つ。

復活に向けた手応え

5日(火)、キャンプ第2クール初日は、クロスカントリーからスタートした。サブグラウンドで大小ハードルなどのサーキットメニューをこなし、メイン球場まで坂道をランニング、最後は階段下りで、1周約1.1キロのコースを2周する過酷なメニュー。観客の声援を間近に受けながら、投手も野手も体力強化に励んだ。

午後からの全体練習では、臨時コーチを務める山本昌氏が今キャンプ3度目の指導。ブルペンで、藤浪晋太郎投手にボールの回転数についてアドバイスを送ると、さらに夕方にもサブグラウンドで個別練習を行い、矢野監督と3人の投手コーチも見つめる中、1時間にわたって藤浪を熱血指導した。

「本人のヤル気がすごくあるので、ボールを投げている時間が長い。最後の居残りのボール、すごかったでしょ?暴投のような抜けたボールもないし、ああいうのがピッチングに反映されていけば。元々すごいボールを投げるピッチャーなので、スピン量云々はもっと作れるはず。あとは、ボールをリリースするところが安定してきたら、二の矢、三の矢を出す時がくればいいなと思う」

藤浪も「ちょっとずつ感覚は出てきている」と手応えを掴んだ様子。「回転数が多い=いいこと、ではないが、指に掛かっているという意味でリリースは安定している」とうなずく。復活へ向けて、ステップは確実に、そして順調に進んでいる。

バッティングと元気でアピール

第2クール3日目の7日(木)には、今キャンプ初の実戦練習となるケース打撃が行われた。バントなどのサインが出され、細かい野球を徹底。実戦での対応力をつけるため、課題に取り組んだ。

存在感を発揮したのは、片山雄哉捕手だ。2打席連続で、初球を仕留めて中前打。「自分が求められる仕事ができるようにと打席に入った。自分のスイングを準備して、1球目から振れたことは良かったと思う」と納得の表情を浮かべ、矢野監督も「バッティングはいいね。右打ちのサインだったから飛んでいる方向はアレだけど、打球の質もいいし、しっかり自分のスイングで一発で決めたのは価値がある」と高く評価した。

今年7月、育成から支配下登録に。1年目の今季は一軍出場はなかったが、秋季キャンプに参加し、ガッツあふれるプレーでアピールを続けている。

「少しはやってきたことが形として出てくれたかなと思うが、まだまだ全部が必要。もっとスキルアップして、もっと高いレベルで野球をしたい。監督やコーチ、ピッチャーに信頼される選手になりたいです」と、捕球やスローイングなどの守備練習にも懸命に取り組んでいる。

指揮官も「バッティングがいいからこそ、守備を頑張っていくのが今後の課題」と、打てる捕手としての成長に期待。一軍捕手の座を掴み取るべく、片山の気合いに満ちた大声がグラウンドに響く。

見て、感じる

9日(土)からは、第3クールがスタート。ドラフト1位の西と2位の井上広大外野手(履正社高)が安芸を訪れ、2日間にわたってキャンプを見学した。

ブルペンで藤浪の投球練習に熱視線を送った西は、「すごく威力があって、めちゃめちゃ速かった」と驚きの表情。井上は、室内練習場で打撃練習を行う大山悠輔内野手を間近に「スイングがきれい。ミスショットが少なかった」と刺激を受けた様子だった。矢野監督は「見ることに意味がある。感じてほしい」と期待していたが、プロの先輩の姿から多くを学び、有意義な時間を過ごせたに違いない。

週末の2日間、安芸は大勢のファンで大賑わい。矢野監督のサイン会や新井良太打撃コーチとの写真撮影会、選手からのサイン色紙プレゼントなど、練習の合間には様々なファンサービスが行われた。選手たちは厳しいメニューに汗を流す中で、ファンとのふれあいにたくさんの笑顔もあふれていた。