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秋季キャンプコラム

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2019.11.18
笑顔も弾けた!収穫の安芸

終盤の安芸キャンプで指揮官が用意したサプライズに南国土佐は笑顔の花でいっぱいになった。そんな幸せな1週間を振り返る。

『不死鳥』原口に感動の特別賞!

11日(月)東京都内で開かれたセ・リーグ理事会で原口文仁捕手にリーグ特別賞が贈られる事を決定した。昨年オフの健康診断をきっかけに大腸ガンが発覚。手術後の苦しいリハビリを乗り越えて今季6月の交流戦で一軍復帰を果たして不死鳥のように甦った姿が、病気などで苦しむ世の多くの人々に勇気と希望を与えた事が評価されての選出となった。

6月4日の復帰初打席で放った代打適時二塁打を始め、9日(対日本ハム・甲子園)のサヨナラ安打。球宴での2試合連続本塁打など劇的な活躍が広くプロ野球ファンの心に残っている。

一報を聞いた原口文仁捕手は、「大変光栄。病気が発覚してからは苦しい事もたくさんあったが、家族・チームメート・関係者の方々・多くのファンの方々に支えられ、ここまで戻ってくる事が出来た。皆様の支えがあったからこそ受賞出来た賞だと思う。1軍の舞台に復帰し、野球が出来る幸せを改めて実感することが出来た1年。野球が出来ると言う、この幸せな気持ちを忘れず、これからも同じ病と闘う方や、また色々な事で苦しんでいる方々に勇気や希望を与えられるプレーが出来るように精進していきたい」と感謝の言葉を綴っている。

12日(火)大阪市此花区の大阪シティ信用金庫スタジアムで12球団合同トライアウトが行われ、NPB復帰を目指す43名(投手26・野手17)の選手達が野球生命を懸けて参加した。昨季限りでタテジマを脱ぎ今季はBC栃木で活躍した最年長35歳の西岡 剛内野手を始め、岡本・歳内・小宮山・山崎・森越と今季まで阪神でプレーをしていたメンバーも姿を見せている。スタンドには、阪神・各球団のスカウトや選手の関係者・一般のファンが多数詰めかけた。

カウント1-1から行うシート打撃。基本、投手は打者3人と対戦。打者は4打席しか与えられない少ないチャンスの中でそれぞれが精一杯のパフォーマンスを見せる。第1打席・右前安打の森越祐人内野手は、第4打席で岡本(前・福岡ソフトバンク)から豪快な左越え本塁打を放つ。中日・阪神での9年間一軍公式戦アーチ0だった男が渾身の一振りで「最高の結果」を叩き出してみせた。歳内宏明投手も切れ味鋭い真っ直ぐで岸里(前・北海道日本ハム)から見逃し三振を奪う。朗報が届くか否か?は『神のみぞ知る』だが、各選手がベストを尽くす姿にファンの拍手・声援が温かく感じられた。

『パワーチェンジ』が持ち味

13日(水)猛虎創成期から主戦投手として活躍。社会貢献活動等にも積極的に取り組んだ阪神OBの功績を讃え、その名を冠した今年の第9回若林忠志賞に西 勇輝投手が選出された事が明らかとなった。継続的に社会貢献活動やファンサービスに取り組み、野球人として優れた見識を持つ選手を球団が表彰する制度だが、西はオリックス時代の2011年から日本赤十字社や日本財団子どもサポートプロジェクトへの寄付を毎年継続するなど社会貢献活動に熱心に取り組んで来た事が高く評価されている。

14日(木)熊本市内のホテルでドラフト6位 小川一平投手(横須賀工高-東海大九州キャンパス)が仮契約を結んだ。150km/h近い速球も大きな武器だが、自ら『パワーチェンジ』と呼ぶフォークボールのような落ち方をする高速のチェンジアップの使い手だ。育成契約以外では今ドラフト唯一指名の大学生となる。一軍でのデビューが上位の高校生たちより早くなる可能性も十分あると見られ、実戦派右腕としての期待は高まる。

超異例なファンサービス

16日(土)最終クールの安芸秋季キャンプ。この土日には、前週の西 純・井上に続く今ドラフト指名選手第2陣 及川・遠藤・藤田・小川・小野寺・奥山の(育成含む)5人が見学に訪れている。ブルペンでは藤浪らの熱のこもった投球練習にルーキー達が魅了された。「やっぱりプロ野球選手の球は質が全然違うのが、後ろから見てても伝わって来た。高い質を目指してやっていけるように」決意を新たにした及川雅貴投手(ドラフト3位・横浜高)。「ハルト(高橋遥人投手)に勝てるのか?」・・矢野燿大監督からは返答に困るような質問もあったが、「勝てます!」ときっぱり答えてみせたところにフレッシュ左腕の負けん気が覗く。

快晴の下行われた今キャンプ初の紅白戦では、青柳・秋山の両先発をはじめ8投手がそれぞれ取り組んでいる課題克服を意識しながら腕を競った。山本昌臨時コーチのアドバイスを受け新球シンカーに取り組む青柳晃洋投手だが、「決まったら良いボール。もう少しゾーンに入れば・・」とまだ手応えには至らない。むしろ収穫はカーブだったようで、緩急は勿論これでカウントも稼ぐ事が出来るだけに来季以降 非常に有効な武器となりそうだ。

17日(日)秋季キャンプ最後の紅白戦。日曜日とあって安芸市営球場には、早朝から多くのファンが詰めかけていた。今年最後の実戦は、見どころ満載。白組先発・岩貞が初回から直球で押して各打者に十分な打撃を許さず2イニングを完璧に封じ込めば、北條は高校時代の宿敵・藤浪から先制2点適時打を放つなど大いにスタンドを沸かせる。守備面では両チーム合わせて5失策と改めて道半ばの現実を露呈したが、これも克服のプロセスと解釈したい。

紅白戦の後、訪れたファン全員を対象とした極めて異例のファンサービスイベントが開催された。矢野監督の発案で実現したのは、グラウンドで選手全員とファンとの集合写真撮影。そして、猛虎ナインが約2000名の一人一人とハイタッチを交わす。更には、その内抽選に当たった約400名を対象にサイン会も行われている。これぞ『ファンを喜ばせる』矢野阪神の真骨頂。観衆が笑顔で安芸をあとにしたのは言うまでもないだろう。

この後オーバーホールに入る青柳や台湾ウインターリーグに参戦する馬場・牧・片山・熊谷らが一足早く安芸を離れた。夜には清水雅治ヘッドがコーチ陣に名を連ねる侍ジャパンは、プレミア12を制して東京五輪へと弾みをつけた。猛虎ナインが来季への課題に取り組んで来た秋季キャンプも残りわずか。いよいよ大団円の締め括りが近づいて来た。