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春季キャンプコラム

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2020.2.17
追悼試合でサヨナラ勝利

2月13日(木)~16日(日)

キャンプも中盤を過ぎ、さらに実戦モードへ。今クールは2試合の練習試合が行われ、新戦力が次々とベールを脱いだ。

逆風を切り裂く本塁打

第3クール初日の13日(木)、シート打撃が行われ、ジャスティン・ボーア内野手が本塁打を放った。カウント1-2から、秋山拓巳投手の内角138キロ直球を捉えると、打球は強い逆風を切り裂き右中間席へ。

「80%の力で振った。風が強く吹いていることはわかっていたけど、感触的に『行ったかな』と。2ストライクと追い込まれてピッチャーとの勝負になって、(内角球に)反応した結果がホームランになった」と、新助っ人は納得の表情。矢野燿大監督は「追い込まれて変化球もマークしている中で対応できたところに価値がある」とうなずき、この日から宜野座キャンプに合流したアンディ・シーツ駐米スカウトも「彼の一番の特長はパワーがあること。それと同時に、率も残せる選手。ホームランも打点も、かなり挙げるのではないかと思う」と、活躍に太鼓判を押した。

3度の実戦形式で、5打数4安打2本塁打。4番の最有力候補が、メジャー通算92本塁打のパワーを見せつけている。

緊急登板にも実力を発揮

15日(土)と16日(日)の練習試合は、11日に死去した野村克也元監督の追悼試合として行われた。球場には半旗が掲げられ、試合前には監督、コーチ、選手らが黙とう。チームはユニホームの左袖に喪章をつけてプレーした。

15日、宜野座での広島との練習試合で、ボーアとジェリー・サンズ外野手が対外試合デビューを果たした。「3番・DHサンズ」「4番・一塁ボーア」で先発出場し、サンズは2四死球、ボーアは一ゴロと遊直併殺に。快音は聞かれなかったが、矢野監督はサンズについて「ボール球を振らないのはサンズのいいところ。追い込まれても、簡単に打ち取られる感じは少なかった」と評価した。

投手陣も、ソフトバンクからトレード加入の中田賢一投手が2番手で4回から登板。1死から高橋大樹外野手に2ランを浴びると、2死から堂林翔太内野手の打球を左足首に受けてそのまま降板となった。後を受けて緊急登板したのは、ソフトバンクから新加入のロベルト・スアレス投手。2死一、三塁から代打の曽根海成内野手に中前適時打を浴びたが、5回は3者凡退に。小園海斗内野手、正隨優弥外野手から連続で空振り三振を奪い、圧巻のピッチングを披露した。

最速は154キロを計測し、「スピードもキレも良かった」と初登板を振り返ったスアレス。矢野監督も、「持っている力がそのまま出た感じ」と目を細める。新外国人ジョン・エドワーズ投手らとの中継ぎのポジション争いが、ますますヒートアップしてきた。

試合は、1-7で広島に完敗。打線は、1番に入った糸原健斗内野手と2番の近本光司外野手が共に2安打を放ち好調をキープしたが、得点は上本博紀内野手が犠飛で挙げた1点のみに終わった。

指揮官の予想的中サヨナラ打

第3クール最終日の16日には、宜野座に楽天を迎えて練習試合が行われた。

先発は、対外試合初登板のジョー・ガンケル投手。2回を投げて1安打無失点、6つのアウトのうち4個をゴロで奪い、持ち味を発揮した。最速145キロを計測した直球に、スライダーやカットボール、ツーシームを交えながら、自慢の制球力を披露。矢野監督は「低めを突く、コーナーを突くというのがガンケルの持ち味。そういう投球、ボールが多かったと思うし、ゲームを作ってくれるというところでは安定感のあるピッチャーだと思うので、持ち味を出してくれたんじゃないか」と、新助っ人の先発ローテーション入りに期待を寄せた。

開幕ローテ入りへ、猛アピールに成功したのは髙橋遥人投手だ。4番手で7回から登板すると、3回を3安打無失点、4奪三振の好投。「変化球をうまく使えたことで、真っすぐも効いた。高さ、コース、球のキレ、本当にいい感じなので、もっともっと期待していきたい」と指揮官も賛辞を送った。

試合は一時4点差をつけられるも、5-6と1点ビハインドで迎えた最終回、この回先頭の坂本誠志郎捕手がサードの失策で二塁まで行くと、続く北條史也内野手の三ゴロの間に三塁へ。矢野監督が「サードまで走り切れる判断力がすばらしかった。一番大きかった」と絶賛する走塁でチャンスを広げ、熊谷敬宥内野手の適時二塁打で同点に。江越大賀外野手は三振に倒れ、2死二塁で打席には原口文仁捕手。フルカウントから、高梨雄平投手の128キロ変化球を左中間に弾き返し、サヨナラ勝利を決めた。

「シーズン中と変わらない緊張感の中で打席に立てている」と冷静に振り返った原口に、矢野監督は「打つだろうと思って見ていた」と信頼を寄せる。昨年の春季キャンプには、大腸がんの手術後で参加することができなかった。今年はここまで「本当に自分のやりたいことをしっかりできているキャンプなので、順調に過ごせていると思う」と充実感を滲ませる。原口の勝負強さは、今季も健在だ。