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春季キャンプコラム

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2025.02.05
HAVE A NICE DAY!
2月1日(土)~2月4日(火)第1クール

90周年の球春が到来した。新監督の下、ユニフォームも創設期を思わせるシンプルなデザインに生まれ変わり、フレッシュな気持ちでキャンプイン。希望の船出となった第1クールを振り返る。

選手をリスペクト

1月31日(金)、大阪伊丹空港から藤川監督以下一軍・ファームの首脳陣・外国人選手と具志川組選手らが空路沖縄入り。沖縄県内の宿舎では、夜間新監督の方針で宜野座・具志川組が一堂に会し、キャンプ前日の合同ミーティングが行われた。藤川球児監督は選手をリスペクトしている事を伝え、『没頭』をテーマに敢行した秋季キャンプの継続と位置付け、個人個人がそれぞれの課題にしっかりと取り組むよう訓示。中野拓夢選手会長は、「(リスペクトしていると言われて)素直に嬉しい」「自分が動けば、みんながついてくると思う。キビキビとした行動が出来るように」と率先して引っ張る覚悟を示している。

2月1日(土)、12球団一斉にキャンプスタート。指揮官として初めて沖縄キャンプに乗り込んだ藤川監督は、午前8時半過ぎに宜野座へ到着する。早出練習からしっかりとチェックを行う姿勢を見せた。歓迎セレモニーでは宜野座村の當眞淳(とうまあつし)村長が、巳年にかけて「沖縄でヘビと言えばハブ」と前置きし「HAVE(ハブ)A NICE DAY!」(どうか良い一日を)と粋な激励。続けて挨拶に立った新監督が、これを受けて「(岡田前監督の)アレ以来の素晴らしい言葉」と絶賛して場を和ませていた。

ブルペンでは、ドラフト1位伊原陵人投手(智弁学園高〜大阪商大〜NTT西日本)が直球にスライダーを交え42球の投球。まだ「5、6割の仕上がり」ながら、虎のドラ1では藤浪晋太郎投手以来の初日投球で抜群の制球力を見せつけた。早速、左腕の先輩・桐敷へフォークボールについて質問し、「状況に応じた投げるところの高さの意識だったり。ただ落とせばイイとか空振り取ればイイと言う事ではないので。試合状況やカウントに応じた投球」の真髄を学んだ。即戦力の期待に違わぬ技術と探究心である。

超人の秘密兵器

2日(日)、秦雅夫(しんまさお)新オーナーが就任後初めて宜野座キャンプを訪問した。今季の混戦を予測して、「勝ち切ってもらいたい」と訓示。ナインの動きについては、「より溌剌とした印象を受けた」と話している。

この日から2日間、糸井嘉男SAが臨時コーチとして佐藤輝・前川・井上ら野手陣に超人流の指導を施した。藤川監督が全幅の信頼を寄せるのは、糸井SAが現役の頃、若手に慕われて自主トレ中も後輩たちが側を離れない姿を見て「彼は教えに行っているのでなく、教えを請われる選手」だと認識しているから。クリケットのバットや普通より重たい特別球と言った秘密兵器を使っての練習は、自然と人々の目を引く。クリケットバットに関しては、佐藤輝は自主トレから取り入れて『面でボールを捉える』イメージがかなり浸透していると言う。重いボールは『押し込む』感覚を養成するもの。現役ドラフトで巨人から移籍した大学の後輩・畠の話になった時には、「彼はボクが3割打者にする!」糸井2世にすると宣言。いつもの糸井節で、報道陣を笑いの渦に巻き込んでいた。

ブルペンでは、才木やゲラが初の投球を行った。ハビー・ゲラ投手が、「ストレート中心に良い感覚だった」と話せば、才木浩人投手も「最初なのでぼちぼち」と振り返る。才木は直球だけ38球を投げ込んだが、「真っ直ぐとフォークの質にこだわってやって行きたい」と話している。

節分恒例の新外国人選手による豆まきが行われた。『鬼』を相手にデュプランティエ、ネルソン、ヘルナンデスの3人が楽しく日本の風習に浸っている。

連日のランチ特打でサク越えを連発するラモン・ヘルナンデス内野手だが、内野守備でも軽快なフィールディングや強肩を披露。レギュラー奪取も十分射程圏だと言えそうだ。

今朝丸に仰天!

3日(月)、侍ジャパン・井端弘和監督が阪神キャンプを視察。猛虎の主力選手に熱視線を送った。強化試合(3月5・6日 対オランダ・京セラドーム大阪)の最終候補に佐藤輝明内野手と石井大智投手を選出している事が判明。加えて、2026年開催のWBCへ向けても、昨秋プレミア12で4番を打った森下や大山・中野・近本。貴重な左腕の中継ぎである桐敷の名も上がっていた。世界一を見据える代表監督にとっても猛虎ナインの動向は、非常に気になるところだ。

具志川では、高校生ルーキー今朝丸が初のブルペン投球。捕手・藤田を相手に30球を投じたが、見ていた平田勝男ファーム監督が驚いた。「いやいや、(いきなり)フォークとか!器用なんだろうな、大丈夫か!って」当初は心配したが、大勢の前で「クイックで投げたり、自分で工夫して。落ち着いてるやん」「仕上がりが良すぎるんでね、ホントびっくりした」と舌を巻いている。勿論体作りと並行しながら育てる方針に変わりないものの、長身右腕の行末に目を細めていた。

4日(火)、第1クール最終日。日本列島に大寒波が襲う中で、沖縄もクール全般に曇りがちで肌寒い天候だったが、4日間ほぼ予定通りにメニューを消化する事が出来た。藤川球児監督はテレビのインタビューに答えて、「初日スタートした時は、イイ形でスタート出来たと思っては来たけど、これから実戦等々と流れが変わってくる中では至らない点が出てきたのかなと感じている。(『姿勢』『没頭』は問題ないが)『凡事徹底』というところに関して、作り上げていく中で準備の段階なので、そこに関しては厳しく考えているところがあって、そこの部分では非常に反省点があるなと、私自身では思っている」と総括している。新人監督として最初のクールで反省の弁を述べるのは異例とも言えるが、それだけ目指しているモノが高いのであろう。

3日の朝、阪神OBで1985年に初の日本一に導いた吉田義男さんが亡くなった。享年91歳。永久欠番『23』。華麗な守備で『今牛若丸』の異名をとった現役時代の勇姿から最近の評論家時代に至るまで阪神ファンならずとも広く野球ファンから愛された猛虎のレジェンドが、奇しくも球団創設90周年にこの世を去った。

合掌