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春季キャンプコラム

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2026.02.20
『3歩進んで2歩下がる』
2月17日(火)~2月19日(木)第4クール

沖縄キャンプは残り2クール。打ち上げまでのカウントダウンに入った。プルペンのリーダー格も宜野座に合流して、チームとしてのカタチが整い始めている。

台頭せよ!右の中継ぎ

17日(火)第4クール初日は、朝から雨が降り雲も多い空模様。キャンプ後半とあって、具志川で調整していた岩崎・岩貞・長坂・糸原が宜野座に合流して来た。差し詰め『真打ち登場』と言ったところだが、ベテラン勢に関しては例年通り独自のやり方に任せている事もあって、この時期で合流というのは折込済みだったかと思われる。一方で嶋村・百崎・井坪・前川・小野寺とルーキー立石も具志川合流。しかし、この日予定されていたDeNAとの練習試合は雨天によるコンディション不良で中止となった。ルーキー能登や今朝丸らの登板が予定されていただけにファンにとっては非常に残念なお天気になった。

宜野座の早出特守では、小雨の中で木浪・小幡・ディベイニーとショートの定位置を争う3選手が揃って田中コーチのノックを受けた。ディベイニーは今キャンプ3度目の早出練習となるが、非常に精力的な姿勢が目立つ。ランチタイム特打には大山がディベイニーと共に登場。大山はサク越えを連発し、新聞報道によると94スイング中29発と打ちまくってスタンドの虎ファンを喜ばせていた。

プルペンでは、若手投手陣の投球に指揮官が目を光らせる。石井の長期離脱が確定的な状況下で、その穴を少しでも埋める右のリリーバー台頭が急務となった。石黒・工藤・木下らへの注目度もアップしている。今クール、プルペンでの3連投を課された2年目木下里都投手。「もともと足りないと言われている中で(石井投手の故障を受け)やっぱり自分たちはチャンスがあって、そこでどうやって戦っていくか。 大事なコトなので」。監督から技術的に出来なくてはならない点を具体的に言われ、その課題に取り組むという。

身体の使い方について指揮官のアドバイスを受けたという湯浅京己投手は、27球を投げ込んだ。「プルペンでもだいぶ強く投げられているので。もっと精度高く、低めにコントロール出来るように意識して投げたい。次のクールで実戦(オープン戦が)3試合入って来るので、しっかりそこに向けて打者とかもイメージしながらやれればと思っている」と気合を入れている。

この日の代表インタビューは、宜野座合流の岩崎優投手。「一番大事なのは怪我をしない事。とにかくコンディションに気を遣いながら、投げ込みはしっかりやりつつ球数も結構投げられてきたし、順調にきているかなと思う」と話した。冷静なマウンド捌きでここまで9年連続40試合以上の登板。「続いているものは続けていきたいし、一年やれば40じゃなくて50、60近くという数字にはなってくるとは思うので、昨年よりもたくさん投げたいなという思いはある」。微笑みを浮かべながら守護神の風格を漂わせていた。

空気和んだ『笑いの神様』

18日(水)、3日間という今キャンプ最短クールの中日。メイン球場での早出特守には、元山・大山・中野の3選手が参加した。全体練習では投内連係を午前中じっくりと行い、投手陣がケース別にクイックも入れながら打球処理に取り組んだ。

お昼には藤川監督と親交のある人気落語家の笑福亭鶴瓶さんがグラウンドに入って、異例の訓示。師匠の話術にナインの緊張感も和らぎ笑い声が起こる。縁起担ぎなのか?選手たちが鶴瓶さんの体を『ビリケンさん』の如く次々タッチしていた。監督の絶妙な配慮で空気感を変えた一幕ではなかったか。

ケース打撃にはラグズデール、岩貞、モレッタらが登板。ラグズデールは元山に2安打を許したが、球の走りも良く上々の内容を見せた。ルーキー谷端が、モレッタの内角速球を叩き中前へ運ぶヒットを放つ場面も。実戦想定の練習で、各選手はアピールに懸命である。

「(当初は)不安ばっかりだったけれど、先輩方が凄く背中で引っ張ってくれるし、ここまで身体もしっかりケアして怪我もなく過ごせている」。新人唯一の宜野座スタートだった谷端将伍内野手が振り返る。共にする時間が長い小幡・熊谷・大山ら内野手の先輩とは特にコミュニケーションが取れているようだ。「想像していた通り、本当に雲の上の存在というか凄い方ばかり。本当にとにかく必死に食らいついての思い」だという。守備においても「中野さんだったり身近に見れてるので。本当に一軍でプレー出来ている内にちゃんと見て学びたい」と目を輝かせる。濃厚な日々を送る中で時々眺める沖縄の海が癒しになっている谷端だが、周囲の評価も高く視界良好なキャンプライフを送っている。

具志川では、ドラフト1位の新人・立石正広内野手が初めて屋外でのフリー打撃を行った。別メニュー調整中はロングティー等で大物の片鱗を窺わせていたが、漸く解禁された格好。平田ファーム監督らが見守る中、広角に打ち分ける技術を披露していた。

魔球BP!ルーカス

19日(木)第4クール最終日。日差しもあって沖縄らしい天候の中、ライブBPに新外国人左腕ルーカスが登板する。力強い真っ直ぐに2種のスライダー、チェンジアップなども織り交ぜ、伏見・嶋村・梅野・前川を相手に38球を投げた。左打者の前川にはヒット性の打球が多かったが、鋭い曲りで梅野のバットを折るなど持ち味を十分発揮している。先発か中継ぎかは未定のようだが、球種の多彩さを考えればスターターでの起用が有力だろう。

クール総括で藤川球児監督は、次のように語った。「プラン通り。投手コーチと話しながら、イニングレスト(イニング間に休みを挟んで投げる)でアメリカのやり方に近い形というか、お互いで文化を取り入れながら、良い進み方をしてるんじゃないかな」。打撃投手の事をライブBPと呼ぶ(米国では『シュミレートゲーム』ともいう)など、ルールの国際化も含めて海外のやり方を積極的に取り入れるのが、メジャー経験もある指揮官の考えである。

オープン戦での登板予定投手については敢えて明らかにせず、今クールで石黒・工藤・木下にプルペンでの3連投を課した成果に関しては次のように話した。「『3歩進んで2歩下がる』。1歩は進んだじゃないですか?そんなもんですよ、野球選手。難しいけれど(年齢や経験を重ねると)その『3歩進んで2歩下がる』が、すごく大事な1歩、貴重な1歩ずつになりますから。1歩は進んだという事ですから、良かったんじゃないですかね」。

第1クール以来、試合を入れず練習に明け暮れた3日間のクールが完了。週末からはオープン戦がメインとなる最終クールへ突入する。新戦力を含めて、キャンプとしてどんな仕上がりを見せるか?興味は尽きない。