気負わず、ぶれず、まっすぐに<後編>
昨年は開幕を7番・ショートで迎えた。開幕戦から2戦連続でマルチ安打を放つ上々のスタートを切ると、その後も安打を積み重ね、6月からは1番バッターに抜擢。その後はシーズンのほとんどの試合で打線の火付け役を担ったのは知っての通りだ。
戦い抜いた1年を振り返って口にしたのは、“学んだもの”についてだった。
「全部の試合に出て、あらためて出続けるというのがすごく大変なことなんだということを経験することができました。移動日もありますが、基本的には毎日試合なんで、やっぱり身体もきついですし、メンタルも正直きつかったです」
例えば5打数0安打で終わってしまったゲームがあっても、それを引きずってはいられないのが“出続ける選手”の宿命。肉体的な疲労はもちろんだが、気持ちを切り替えることの難しさがある。いかに切り替えられるかがひとつのポイントだ。
前編でも触れた通り、目標は「まずは自分の準備をしっかりとすること」だ。ただ、より具体的な目標として、届きそうで届かなかった数字を掲げる。
「一番の目標は、『3割を打つこと』です。昨年1年使い続けてもらって、2割8分、9分から先に3割の壁があるということを痛感しました。なので、今シーズンは3割を目指してやっていきたいと思っています」
届きそうで届かなかった“壁”を、今季は必ず超えると意気込んでいる。
ちなみに、単純計算の数字遊びだが、昨年の数字で言えば、凡退した打席のうち、あと8本安打にすることができていれば、3割の大台に到達できていたことになる。ただ、その8本が難しいと話す。
「(その差は)全然違います。そこの壁はすごい。それを痛感したので、やっぱり3割を打っているバッターはすごいな、一流だなと思います。だから個人としてはそこを目指したいと思っているんです」
気負わず、ぶれず、まっすぐにショートver<後編>終了。
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