東京ヤクルトスワローズ
4.4(TUE)5(WED)6(THU)
京セラドーム大阪
WBC帰りの若きエースがいよいよ登板、本拠地開幕戦
開幕ダッシュに失敗した悪い流れを断ち切るのは、この男しかいない。WBCに出場したため、開幕カードの広島戦ではなく、京セラドームでのホーム開幕戦・対ヤクルトでの登板が見込まれている藤浪だ。WBCでは2次ラウンド以降登板がなく、悔しい思いも胸に秘めてチームに戻ってきた右腕。自身の開幕に向けた思いを「気負ったり、何かを背負ったりせず、淡々と投げられればと思います」と落ち着き払った口ぶりで話した。
チームは広島との開幕カード、初戦こそ新加入・糸井の初タイムリーなどで快勝したが、残り2戦は守備のほころび、投手陣の崩壊で連敗を喫してしまった。3連敗を免れるため、どうしても落とせない2カード目の初戦。藤浪は昨季のヤクルト戦、4試合に登板して2勝0敗。中でもヤクルトの主軸・山田を12打数2安打、打率1割6分7厘と封じ込めたという頼もしいデータもあり、相性の良さを感じさせる。
一方で少し気になるのは、WBCでもオランダ代表として活躍したヤクルト・バレンティンの存在だ。昨季、藤浪はこの助っ人砲に対し、10打数5安打1本塁打、打率5割と打ち込まれた。「相性はその年によって違うので」と本人はまったく意に介さないが、敵の主砲を乗せないことが、試合のポイントとなることは間違いない。広島との3連戦では中継ぎ陣もフル回転しただけに、藤浪にはできるだけ長いイニングの快投を期待したい。
一方で打線は開幕の3連戦、新加入の糸井が初本塁打も含めて5打点の活躍を見せ、いきなりその能力を見せつけた。その糸井は4月2日の試合で右肘付近に死球を受けて途中交代し、その状態は懸念されるが、打線は3試合で19得点を奪っており、決して悪い状態ではない。さらに昨季ヤクルト戦のチーム打率は2割6分7厘と、交流戦で対戦したパ・リーグのチームを含めても、最も高い対戦打率を残している。
DeNAとの開幕カードを2勝1敗と勝ち越したヤクルトは、阪神戦では新外国人のブキャナン、山中、館山の先発が予想される。しかし好スタートを切った猛虎打線にとっては、決して高いハードルではない。開幕カードでは糸井をはじめとして福留、鳥谷と打線ではベテラン陣の奮闘が目立った。ヤクルト戦では開幕から12打数でまだヒットがない北條ら若手の奮起も待ち、ホームの大観衆の前で今季初のカード勝ち越しといきたいところだ。