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若トラまとめ 髙山選手

輝かしいアマ戦績

ルーキーイヤーからレギュラーに定着し、ファンにもしっかりとその存在感を示した髙山選手。昨年のドラフト会議、あらかじめ指名を公言していたヤクルトとの競合で金本監督が自らの左手で交渉権を引き当てたことが、何年も前のことのように思われます。東京六大学リーグで通算最多安打記録を更新したその実力を、プロの舞台でも存分に発揮してくれました。

千葉県船橋市の出身。甲子園に三度出場した日大三高時代、最後の夏の大会では決勝で2年生の北條選手を擁する光星学園高を制して全国制覇を成し遂げます。進んだ明治大学では1年生の春からレギュラーに定着して、大会のベストナインを5回受賞。通算131安打を記録して、90年に及ぶ東京六大学野球の歴史に名を刻みました。

安芸からのスタート

しかし、それまで怪我らしい怪我をしたことのない髙山選手でしたが、ドラフト直前の大会で、右手有鉤(ゆうこう)骨を骨折。タイガース入団後は慎重にトレーニングの段階を踏み、はやる気持ちを抑えながら春のキャンプは二軍、安芸からのスタートとなりました。

別メニューでの調整から次第にバッティング練習も本格化してくると、フリー打撃では柵越えを連発。自主トレ段階からそのスイングを絶賛していた掛布ファーム監督指導の下、実戦段階をクリアして、2月25日から沖縄一軍キャンプに合流します。

一軍の舞台でも、期待以上のパフォーマンスを見せる髙山選手はオープン戦でも横田慎太郎選手と共にヒットを量産してアピール。そしてルーキーイヤー開幕の時を迎えます。

開幕から全開!

3月25日の京セラドーム大阪、対中日戦。ゲーム前、1番レフト髙山、2番センター横田のアナウンスに、スタンドからどよめきと共に大きな拍手が送られます。ルーキー野手としては中村勝広選手以来44年ぶりとなるトップバッターでの開幕戦起用。そして髙山選手は第1打席で、大野投手のストレートをとらえ、レフト前に運びます。

そのプロ初ヒットをきっかけに先取点を奪った金本タイガース初陣でしたが、結局黒星スタート。しかし「超変革」の息吹を十分に感じさせる開幕戦となりました。事実、翌日の第2戦では髙山選手が3回に先制タイムリーツーベースでプロ初打点を挙げ、早速お立ち台に上がると、第3戦でも2回のタイムリースリーベースを含むマルチヒットと、連勝に大貢献。申し分のないプロ人生のスタートを切りました。

4月は1試合4安打を3度、5月に入ってもヒットを重ね、21日の広島戦(甲子園)では、同点で迎えた9回1アウト満塁の場面で、広島の守護神・中﨑投手のストレートを弾き返し、プロ初のサヨナラ打を記録。歓喜のシャワーを浴びます。

[2016/5/21] 9回裏、髙山選手がライトへサヨナラ打を決める!

体の強さと修正能力

しかし、やはり厳しいプロの世界。日を追うごとに相手チームからは対策を練られ、厳しい内角攻めや連戦の疲れもあって次第に打率は低下していきます。6月末、交流戦明けの予備日には、実戦調整のためにファーム福岡遠征に帯同して不振脱出を模索します。

それでも、今季は一度も一軍登録を外れることなく、試合に出続けながら調子を上げ、7月の月間打率は.366。一時は2割5分台まで下がっていた通算打率も8分台まで戻します。そしてこの月、特筆すべきはその得点圏打率の高さ。.571という驚異的な勝負強さを見せます。

そしてルーキーながら、タイガースからただ一人ファン投票で選出されて出場したオールスターゲームでは、第1戦にフル出場。楽天・則本投手から内野安打を記録すると、すかさず盗塁。後半戦の活躍を期待させます。

8月にはチームトップの18打点を挙げ、4度の猛打賞を記録して、球団の猛打賞回数新人記録に並び、さらにルーキーとしては2001年の赤星選手以来となる規定打席にも到達。様々な新人記録の話題が新聞紙上を賑わすように。

1年目の成果

8月後半からは、その安定感を買われて3番でフル出場。チーム成績が低迷する中でも頼もしい働きを見せます。そして9月19日、今季まだ一度も甲子園で巨人に勝てていないという屈辱的な状況で迎えた、伝統の一戦。髙山選手は初回に今季第7号、甲子園では3本目という先制弾で口火を切ると、その後も2本のヒットを記録して、通算13度目の猛打賞。続く広島戦でも2試合連続となる8号2ランと、チーム最終盤の連勝に大きく貢献します。

[2016/9/19] 1回裏、髙山選手がバックスクリーンへ第7号先制ソロホームラン!

その7連勝で、タイガースの2016年シーズンは終了。髙山選手ルーキーイヤーの最終成績は、494打数136安打、打率は.275。安打数は球団の新人記録。打点数65は、ゴメス選手に次ぐチーム2位。そして.377という得点圏打率は筒香選手(DeNA)に次ぐセ・リーグ2位の数字となりました。

またその数字以上に、髙山選手がチームの同世代に与えた影響も、「超変革」の大きな原動力になっています。外野手だけを見ても、その活躍は江越選手や板山選手、中谷選手らの大きな発奮材料に。

クリーンアップの期待

しかし今季の活躍も、本人にとってはまだまだ満足のいくものではなく、守備面や走塁面に克服しなければならない課題は残されています。打撃面でも、この秋季練習から金本監督らの指導の下、重量バットを使用して更なるパワーアップを図ります。

持ち合わせた才能、勝負強さに加え、長打力に磨きがかかれば、得点力不足というチームの課題も解消されるはず。リーグ4位からの雪辱に、その存在は欠かせません。

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