エンタメ

コラム・ブログ

TOP > エンタメ > コラム・ブログ > トラ番担当記者コラム

TORABAN Tantou Kisha ColumnCOLUMN INDEX

Vol.2011-11 『東北地方太平洋沖地震』被災地へ広がる支援の輪


能見篤史 選手

寒風吹き荒ぶ甲子園で左右のエースがゼロを競った。投手王国復活へ、プロセスとしては完璧と言えるだろう。

3月9日(水)、タテジマ以来8年振りに指揮を執る事になった星野仙一新監督率いる東北楽天を迎えて、甲子園で今季初のオープン戦が行われた。

現時点で開幕投手の最右翼と目される能見篤史投手が先発。危な気ない投球で5回を無安打無失点と封じた。しかし、内容には不満もある。「四球も2個あったし、しっかりカウント作れてない部分がある。寒さはイイけど、風が強くて足上げた時にバランス崩しそうになったのが何回かあった。ヤフー(前回登板した2日・福岡ソフトバンク戦)の時より少しはマシになったけど、も一つしっくり来てないのが一つあるので、練習でさらに自分のフォームで投げられるようにしたい」。投球フォーム内での間の取り方が、感覚として「まだちょっと早いかな?もう少しタメが出来ればイイなぁーと思う」と話して、あくまでも理想を追求する姿勢だ。


久保康友 選手

3月10日(木)は、埼玉西武とのオープン戦(甲子園)。この日の先発で昨季の勝ち頭(14勝)だった久保康友投手も負けてはいない。2回に一死2、3塁の大きなピンチもあったが、落ち着いた投球が光り、5回を3安打無失点。「まぁ、出来としては前回同様順調。ボールのキレ、コントロール、全体的な変化球の精度も、今のところ良く放れてるので」とりあえず自己評価も及第点の内容だった。

しかし、「体調が安定し過ぎて、絶不調の時があまりなくて、調子の悪い日の練習が出来ない」と一見『贅沢な悩み』を口にする。ただ、シーズンに入るまでにあらゆる事を試したい久保にとって、それは贅沢でも何でもない。長いペナントレースでは「夏場とか、状態が落ちて来る時もあるから」調子の悪い時なりの投球が出来るかどうか?が非常に大切なのだ。

今季採用される統一球も「前回(3日ヤフードーム・対福岡ソフトバンク)もそうだが、ボールの弾き関係も見たいな!と思っていた。そういう打球があまり飛ばなかったので。感覚的にどれ位打ったら、どれ位飛ぶとか・・・自分としてはまだ不安」でいる。勿論一人で試せる部分はある程度手応えを掴んでいる。「思ってるよりスライダーとか曲がりがイイので。(従来は)あまり使いたくない球だけど・・・」などと語って、シーズンでの組み立ての中でどの球種を有効に使うか?日々検討している様子である。


藤川球児 選手

3月11日、東北地方太平洋沖地震が発生。東日本に未曾有の被害をもたらし、未だにその全容が明らかになっていない。

国難とも言える事態の大きさにスポーツ界も素早い対応を余儀なくされる。プロ野球では週末に予定されていたオープン戦が全て中止となった。本来は、平和であるからこそ人々に楽しんで頂ける性格のものだけに球団関係者、選手たちも非常に心を痛めている。

球団や選手会単位でも支援活動を検討して行くのだが、いち早く日本赤十字社などを通じ選手個人として義援金を送る動きが出て来た。金本知憲外野手、城島健司捕手、藤川球児投手、桧山進次郎外野手ら猛虎のスター選手たちが被災地復興のため、続々と名乗りを上げている。


桧山進次郎 選手

養護施設や病院への慰問など、日頃からチャリティー活動を続ける桧山選手は、日本赤十字社を通じて200万円の義援金を送った。「何かの役に立ってもらえれば。早く被災者のところが癒される事を願っている。シーズン中にも何かあれば、役に立つ事をしたい。(惨状は)言葉にならない」。

18日には大阪市内で、15名の選手たちが街頭に立ち被災地救援の募金活動を行なった。「出来る事は何でもやって行きたい。風化させないように・・・」。藤川球児投手が発起人となり、下柳、久保、能見、久保田、渡辺、鳥谷・・・主力選手が被災地への支援を呼びかけ、約4500人の方から善意を受け取る事が出来た。

球団でも復興支援の為に義援金を募る。また阪神タイガースOB会も義援活動に協力していく方針を打ち出した。「ファンの皆様と共に行動を起こす事で、小さな支援の輪が大きな希望の光となる事を願っています」。自ら阪神淡路大震災を経験した真弓明信監督もまた、被災者の方々が少しずつでも元気を取り戻して行かれる事を心から願っている。