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TORABAN Tantou Kisha ColumnCOLUMN INDEX

Vol.2011-33 来年は『野球』がしたい!逆襲へジョー、心からの叫び


城島健司 選手

それは、心からの叫びだった。「結果が全てなんで・・・今年は何と言おうと38試合しか出ていないから、来年はしっかり出たい!」。顔が一回り小さく見える。ヒザへの負担を考え大幅な減量を敢行。2度に渡る手術に伴うリハビリの長い苦しみにピリオドを打つべく、誇り高き男が逆襲のシーズンへ決意を新たにしていた。

11月24日(木)、兵庫県西宮市の球団事務所で、城島健司捕手が契約更改。日本球界復帰に際し複数年契約を結んでおり、「4年契約なんでハンコを持って行って捺しただけ」だった。「(球団からは)今シーズンは働いてないので、来年は一年間働いて下さいと・・・。今年は野球してないので、来年は野球をしたい」と抱負を述べた。

「ヒザを2回手術しているので、昨年までのベスト体重じゃないのかな?・・・まだ分からないけど」。昨季(2010年)CS直後に左ヒザ半月板の手術を行い、『突貫工事』で今季開幕に間に合わせた事がアダとなって、右ヒジの状態も万全でない中、8月には左ヒザの再手術に踏み切った。「正直、夏以降ユニフォームを着てないし、ずっとリハビリの連続だった。長いもんだし、つくづく野球したいな!と思った」。


和田 豊 監督

既に11月8日、鳴尾浜で塁間ぐらいの距離(約30m)のキャッチボールを術後初めて行い、「野球選手は塁間以上投げないといけないから・・・ステップとしてはソコがスタートだったが、徐々に野球選手としての動きが出来つつある」らしい。「自分でも、どこまでの仕上がり具合か最終結論は出せない」が、あくまでも「今の時点では(復帰への計画は)順調」に運んでいる。来年2月1日に全快の状態でキャンプに入るイメージに変わりはない。

記者会見では和田豊新監督の印象を改めて問われた。「(就任後も)何回かは話をさせてもらった。打撃面に関しては、(コーチとして)2年間支えてくれてるし同じ右打者として的確なアドバイスも受けていて違和感はないが、監督になれば守備面などへも・・・」責任は全体に及ぶ為、特に捕手として新監督に貢献したい思いが強い。そのためにも来季は何としても開幕から全試合に出場する心積もりだ。

「今年の事があるので来年は開幕に合わせずにゆっくりやります!とそういう気持ちでは、ここまでやれてない。(開幕から全試合出ると言う)その気持ちがなければプレーヤーじゃない。競争ですから。ポジションは皆が競争・・・今年は競争する場所にも居られなかった。野球選手は野球しなきゃ駄目だと。鳴尾浜で(リハビリ期間に)自分の身体が動かないもどかしさを嫌というほど感じた」。思えば昨季10年ぶりに日本球界に帰って来たのも、メジャーで出場機会に恵まれず『野球したい』思いが募ったからだったという。


田村藤夫 ファームバッテリーコーチ

日本シリーズでは古巣の福岡ソフトバンクが優勝した。「古巣も(メジャーを挟んで)1クッション置いてるけど、知ってるメンバーもいるし・・・来年は阪神もリーグ優勝を!と思う」。モチベーションも使命感も十分整った。あとは有言実行あるのみ。結果は必ず付いてくるはずだ。

11月25日(金)、城島が「これも縁ですよね」と語った福岡ダイエー時代の元チームメイト・田村藤夫(52)氏のファームバッテリーコーチ就任会見が、球団事務所で開かれた。ほんの数日前まで中日の(一軍バッテリーコーチとして)ユニフォームを着て日本シリーズを戦っていた為、発表がこの時期までずれ込んだのだが、竜の司令塔・谷繁を身近に置き他球団の打線を沈黙させて来た頭脳の加入は、和田阪神にとって『勇気百倍』だ。

「こないだまで戦って来た相手。この場にいるのがまだピンと来てないが、(阪神が)強いチームというのは確か。たまたま今年は中日が優勝したが、去年も含めて戦力を見ると阪神が強いと・・・最後に(優勝を)争うのは阪神だと思っていた。投手はメンバーも揃って、素晴らしいスタッフ。捕手は、城島がケガしたと言うのがあるけど。彼とはダイエー時代(一緒だった)。あの時は、ボクも選手だったので・・・」。


城島健司 選手

別府大付高から鳴りもの入りでプロ入りしたゴールデンルーキー城島健司捕手の『教育係』として、福岡ダイエーで1997年から2年間プレー。当時の若菜義晴バッテリーコーチや日本ハムでもコンビを組んだ武田一浩投手と3人で「コイツ(城島を)何とかしないといけないと思って」英才教育を行った。城島も「ダイエーで・・・今日ボクが捕手やれてる恩師の一人」と認める存在である。「谷繁が41歳であれだけやりましたから・・・。城島は、プラス打撃と言うモノがある。勿論、捕手としても出来るでしょうし・・・」。城島復活にも大きな力となってくれるはずだ。

中日・谷繁元信捕手について訊かれて、「捕ったりするのは、勿論No.1だが、状況に応じたリードは、ボクが見てオッと思う。つくづく経験が大事だと。良く見てる、状況を!というのはある」と答えた。将来、若虎からも谷繁のような捕手が育って欲しいが、「ファームのコーチになるのが、現役引退後ダイエーの(指導者としての)1年目以来なので・・・(その後はずっと一軍で)勝負のところにいたので久しぶり」ということで、阪神の若手捕手については小宮山ぐらいしか印象にないらしい。当然ではあるが、ファームの捕手がどれくらいのレベルにあるかも現段階では殆ど把握出来ていないと言う。

ただ、基本的な指導方針に全くブレはない。「捕手はまず、しっかり捕れることが大事。投手の球を(数多く)捕らせて、会話をさせる。普通のキャッチング、ワンバウンド然り。しっかり捕ることが大切。(かなり強力な)一軍の捕手陣がいるが、そこに一人でも割って入れるよう指導して行きたい」。田村コーチは、新天地での仕事に意欲を見せていた。


田村藤夫 ファームバッテリーコーチ

和田政権が積極的に進める新しい血の導入で、どんな化学反応が起きるのか?来シーズンが待ち遠しくて仕方がない。