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TORABAN Tantou Kisha ColumnCOLUMN INDEX

Vol.2011-32 秋季キャンプが終了 鳴尾浜では復活を目指す選手が!!


中谷将大 選手

11月3日に始まった秋季キャンプも21日に終了した。約20日間に渡って行われた今キャンプの参加メンバーは、ほとんどが25歳以下の若手選手たち。その中でも最年少の高卒ルーキー、まだ18歳の中谷将大選手が大きく評価を上げた。捕手としての入団だが、今キャンプでは野手コンバートも視野に入れて、守備練習では不慣れな内野と外野でボールを追った。期待の大きい打撃でも、シート打撃で安藤優也投手から本塁打を放つなど、首脳陣はその素質を高く評価し、雨で中止となったオリックスとの練習試合でも右翼・四番スタメン出場が予定されていた。キャンプ期間中、3度あった休日も返上してトレーニングを行い、さらにはハードなキャンプも完走。今が伸びる時期だけに、来春キャンプを万全の態勢で臨めるよう、オフもトレーニングを積んでもらいたい。


玉置 隆 選手

一方、秋季キャンプと並行して鳴尾浜では秋季練習が行われ、少数精鋭の安芸メンバーから漏れた中堅、若手選手が、『大変キャンプ』の安芸に負けず劣らず汗を流している。その中には、右ヒジ故障からの復活を目指す玉置隆投手の姿もあった。2006年の一軍初登板以来、毎シーズン、1試合ずつながらも一軍での登板を増やし、2009年は一軍定着、飛躍のシーズンとなるはずだった。事実、キャンプからオープン戦にかけて、3度の実戦で8回無失点。開幕一軍が現実のものとなりそうだった矢先、3月10日の日ハム戦(スカイマーク)。2番手で登板し、2イニングス目となった五回、チェンジアップを投げたさい、右ヒジに違和感を感じた。この回は投げきったものの、六回、右ヒジは限界を迎えていた。六回一死から突如制球を乱して投球不能となり無念の降板となった。


玉置 隆 選手

診断の結果は右ヒジ内側側副靭帯損傷。当初は早期復帰を目指して、メスを入れることなく右ヒジの回復を待ったが、痛みが消えることはなかった。そして10月、『右ヒジ尺骨神経移行術』に踏み切った。その年のオフに一度自由契約となり、育成枠で再契約。背番号も『62』から『118』へと変わった。昨年4月に育成試合で約1年1ヶ月ぶりとなる実戦復帰を果たすも、このシーズンのウエスタン・リーグ登板はわずか2試合。今シーズン前半も、育成試合での登板がメインだった。


玉置 隆 選手

しかし、夏を迎えるころになると、結果はもちろん、内容も上向いてきた。「フォームが安定してきたからな。去年はリハビリみたいなもので、今年前半も登板過多にならないようにしていた。本格的な復活はこの夏かなと思ってたんでね」と中西清起ファーム投手コーチ。終わってみればウエスタン・リーグ14試合に登板して0勝1敗0S、防御率2.13と、本人としては満足いくものではなかったかもしれないが、復活への足掛かりは残すことができた。10月に行われたフェニックス・リーグでも、4試合3回2/3を投げて一人の走者も許さないパーフェクトピッチング。中西ファーム投手コーチは「状態が良くなってきた。ケガする前くらいにはなってきてる。連投もOK」とほぼ完全復活に近い状態になっていることを示唆。玉置投手も「良かったですよ~。手応えあったし。今年の初めごろとは全然違う。フォームの不安もないし、ヒジの不安もない。腕を振ってバッターと勝負できるようになった」と手応え十分だ。この秋は来春キャンプをベストの状態でスタートが切れるように体を苛め抜き、「まっすぐが速くなったとか、身体が大きくなったとか、ひと目で去年と違うことを見せたい」とさらなるレベルアップを目指している。立場はまだ育成枠なだけに、まずは支配下選手再登録が目標となるが、玉置投手は「それは前提というか。プロは一軍で投げてなんぼ」と甲子園のマウンドに上がることしか頭にない。右ヒジの故障から2年半以上が経過した。この期間、様々な苦しみや苦労があっただろう。しかし「僕にしかできない経験もできた」とプラスに捉えている玉置投手。来シーズンは勝負の年となる。