本拠地甲子園に戻って、仕切り直しを図る。14、15日のヤクルト戦(神宮)は1敗1分け。17日からは中日2連戦、そして19日に宿敵巨人を迎え撃つ。先発陣はスクランブル態勢となるが、頼もしい右腕がバックアップに控えていた。先陣を切るのは、2年連続2ケタ勝利を達成した秋山だ。
当初、17日の先発は主戦投手の西勇が見込まれたが、首の寝違えのため、大事をとって14日に出場選手登録を抹消。秋山は先発機会を1度飛ばし、リリーフ待機する予定だった。しかし、不足の事態に白羽の矢が立った。竜打線とは今季2試合対戦して1勝0敗、防御率0・64と好相性。背番号46は「チームが勝つことが一番ですし、チームに流れるを持ってこれるような投球ができるように頑張りたい」と口癖のように話しており、ハーラー単独トップに躍り出る11勝目に期待がかかる。
18日は髙橋が今シーズン2度目の先発マウンドに上がる予定だ。右脇腹痛などで出遅れ、前回9日のヤクルト戦(甲子園)は4回6安打6失点で降板。「優勝争いをしている中で投げさせていただきましたが、試合を壊すような形になって本当に申し訳ない」と悔しさをあらわにしていた。優勝の切り札になり得るピースだけに、本来の力を発揮する快投が待ち望まれる。続く19日の伝統の一戦は安定感のあるガンケルが担い、一戦必勝を期す。
虎打線の奮起も大きなポイントだ。相手先発は大野雄、柳(ともに中日)、菅野(巨人)の好投手が予想される。リードオフマンの近本は15日のヤクルト戦で猛打賞を記録するなど、3試合連続マルチ安打と絶好調。打率3割1分1厘はリーグ4位と役目を果たす。あとは、中軸が少ないチャンスを生かし、勝負強い一打を―。調子を落としているサンズ、ロハスが復調のきっかけをつかめるか、大山の完全復活はなるのか。矢野監督はナインを信じ、力強く前を向く。
「最後に1番上にいるというのが僕たちの目標なんで。その道中、いろんなことがあると思いますけど、僕たちの野球、タイガースの野球をやっていくだけ」
首位にいても、常に挑戦者の気持ちを忘れない。2位のヤクルト、3位の巨人はともに2.5ゲーム差だ。三つどもえの優勝争い。残り31試合、一戦一戦が重要な戦いになる。