広島東洋カープ
7.28(FRI)29(SAT)30(SUN)
阪神甲子園球場
後半戦最初の甲子園での伝統の一戦で、阪神は巨人に2連勝を収めて3カードぶりのカード勝ち越しを決めた。7月26日の段階では、貯金を13として首位を死守。そして、28日からはゲーム差「0」と肉薄する2位・広島を本拠地で迎え撃つ。後半戦、最初のヤマ場。注目のカードだ。
今季の対戦成績では、阪神が7勝5敗とリードする。しかし、目下のライバルは同26日までに2019年以来の9連勝中。阪神も3連勝と上昇ムードだが、勢いを侮れない。
初戦からの相手先発布陣は野村、森下、大瀬良と続く予定だ。初戦の野村は、7月6日の今季初対戦で6回無失点に封じられて白星を献上。2戦目の森下には今季2度の対戦で黒星を2つつけているが、右腕の対阪神防御率は1.23と打ち崩したわけではない。今季のチーム防御率でリーグ1位の2.83を残す虎投手陣だが、広島も同3位とはいえ2.98の安定ぶり。ロースコアの戦いが予想される。
虎の先陣を切るのは、村上だ。今季はここまで、大竹に次ぐチーム2位の6勝(5敗)をマーク。防御率も1.97と抜群の安定感でチームをけん引しており、プロ3年目で開花の時を迎えている。
広島戦は7月6日(マツダ)以来、今季2度目。前回対戦では7回3失点で敗戦投手となっており、「一発もあるけど、それよりはつながれるイメージが強い。そこをしっかり止められるようにしたい」と雪辱を期して臨む。左の好打者が多いこともあり、「左バッターはほとんど、警戒してやっていこうかなと思っている」とポイントに挙げた。
首位攻防戦の大事な初戦を任されたが、過剰に意識はしない。「そんな風に思わず、気負わず、自分のピッチングができるように。どんどん、どんどん攻めていければなと思います」と前半戦の躍進でつかんだ自信を胸に、攻めの投球でガンガン向かっていく覚悟。いいリズムを作り、青柳、伊藤将へとバトンを渡したいところだ。
気温が一気に上昇し、夏本番を迎えてきた。それでも、右腕は「冬の方が嫌い。寒くて、動く気にならない。夏は体も動くし、大丈夫。夏の方が全然、いいです」と〝夏男〟を主張。くしくも、登板日の28日は母校・智弁学園が甲子園切符をかけて奈良大会の決勝戦を迎える。2016年のセンバツV右腕は「頑張ってほしい。優勝してもらおうと思います」とエール。後輩たちの勝利を自らの力に変えて、重要な一戦のマウンドに上がる腹づもりだ。
報知新聞社/宮崎 尚行