読売ジャイアンツ
9.12(TUE)13(WED)14(THU)
阪神甲子園球場
その瞬間が迫ってきた。12日から最高潮のムードとなる本拠地で伝統の一戦が始まる。マジック5とした10日。岡田監督は「片手になったんですね」と実感すると「甲子園だし、相手も巨人だし。ファンのみなさんも楽しみに応援してもらいたいですね」と不敵に笑った。
あのキーワードはまだ使わないが、最速の「アレ」は14日。つまり、巨人3連戦のラストだ。2位・広島と3位・DeNAの勝敗に左右されるものの、球団史上最速で頂点に立った2003年9月15日を上回る可能性を残す。しかも目の前の相手が永遠のライバルなら・・・。球場の熱気を想像した指揮官のコメントに臨場感が漂った。
今季の対戦成績は、ここまで14勝5敗1分けで残り5試合。既に3年連続の勝ち越しを決めているが、「歴史的G倒」への期待も高まる状況だ。このカードの過去最高勝率は1979年の6割5分4厘(17勝9敗)で、年間最多勝利は同年と2003、04年の17勝。いずれも更新が可能なだけに、目の離せない3日間になる。
一方でチームは平常心だ。12日に先発の西勇は甲子園で調整すると、仲間の様子を見渡しながら「力は入ってないんじゃない? 淡々とした感じ。最後の最後まで自分のできることを考えて」と冷静。Xデー候補の14日を任される才木も「至って普通ですね。いつも通りにやればいい、みたいな感じ」とリラックスした。3連勝を飾った8~10日の広島戦の間には、岡田監督からナインへの最大限の信頼も飛び出した。「なんか普通にやっているよな。大したもんだと思うよ。地道に、俺が監督になってやることを理解して、そういう積み重ねで」。まさに、自分たちのプレーを見せるだけだ。
むしろ、必死なのは相手。3位のDeNAを1.5ゲーム差で追う4位・巨人はCS進出に向け、原監督が「ねじりハチマキでしっかり戦っていきたい」と乗り込んでくる。初戦は自身初の10勝を狙う山崎伊との対決だが、こちらは「普通にやったらええ」。何事にも動じない一歩一歩を踏み続ける。
報知新聞社/安藤 理