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敗戦にも光明…昇格の歳内、1回を無失点

対照的な両先発の立ち上がりが、そのままゲームの流れを決める試合となった。

前日の雨天中止を受け、両チーム共に先発投手をスライドさせての仕切り直し。阪神・岩田 稔投手は初回、菊池・丸の連打で1・3塁とされると、3番ルイスにセンター犠牲フライを打たれ、あっさりと先制を許した。

2回には堂林にツーシームを狙われ、右方向へ1号ソロを浴びる。更に3回一死満塁から栗原の当たり損ねが投手内野安打となる不運。序盤で3点を失い、広島に主導権を握られてしまった。

岩田は3回(55球)を投げて5安打3失点。「立ち上がりからボールが高めに浮いてしまったことが反省点。先発として長いイニングを投げられなくて申し訳ない」と、悔しそうに振り返っている。

広島のエース前田健に対する打線は、左太もも裏肉離れで登録抹消となった新井良に代わって4番にマートンを据え、兄・新井貴が6番ファーストで今季初先発という新オーダーを組んだが、真っ直ぐがよく走ってスライダー、チェンジアップ等を自在に操る前田健の前に一巡目は完璧に抑えられる。

4回には西岡のチーム初安打から二死1・3塁と初めてチャンスを作るが、福留がレフトフライに倒れて無得点。この後も前田健は危なげない内容で7回(92球)まで2安打無失点に抑え、マウンドを降りた。

阪神は4回から藤浪を初めてリリーフで投入した。藤浪は最速152Km/hの直球で憧れの前田健から三振を奪うなど上々の滑り出しだったが、5回裏 四球の丸を背負い、ルイスにセンターオーバー適時二塁打を浴びて追加点を許す。直後ルイスに三盗も決められ一気に崩されそうになったが、落ち着いて後続を退け、並の新人ではない一面を覗かせている。

6回にも鶴-藤原が失点して一方的な展開となったが、ようやく8回表、阪神はカープ2人目・横山から途中出場の日高が右翼ポール際に移籍後初本塁打を放ち、完封負けを免れた。

結局新オーダーが4安打と機能せず6対1で完敗を喫した阪神だが、明るい材料もある。8回裏には一軍に昇格したばかりの歳内が今季初登板。たった9球、3者凡退でしっかりと無失点に抑えた。

まだまだ3カードを終えたばかり…次は、いよいよ本拠地・甲子園で、72年ぶり開幕7連勝の巨人を迎え撃つ。