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目下、パ防御率NO.1 菊池を掴まえられず
たった1つのプレーが全ての流れを決めた。1つのミスが負の連鎖を呼び起こし、致命的な傷口へと広がって行く。
阪神先発・スタンリッジは2回裏一死満塁のピンチを招くなど序盤から再三走者を背負う中、低めのゾーンに集める丁寧な投球で何とか凌いでいたが、4回二死1・2塁で永江のニゴロを処理した西岡からの低い送球をファースト新井貴が後逸するエラーで先制されると、浅村・秋山・栗山の3連続適時打を浴びた上に暴投も加わり、やらずもがなの5失点となった。
痛恨の失策を犯した新井貴は連日のマルチ安打を放ったが、この日に関してはバットで取り返せる範疇を超えた効果なエラーだったと言わざるを得ない。
「味方のミスを取り返すためにも何とか踏ん張りたかったんだけど…。先発としての自分の仕事ができず申し訳ない」。ジェイソン・スタンリッジ投手は自責0とは言え、悪い流れを絶ち切れなかった無念さを口にしている。(4回99球8安打5失点で降板)
埼玉西武先発・パ防御率1位左腕の菊池に対する阪神は、約1ヶ月ぶり一軍復帰のコンラッドや、伊藤隼と入れ替わりで再昇格した浅井を下位打線に配した。多少のばらつきはあっても、威力ある速球を軸にカーブ、チェンジアップ等で緩急をつける投球に各打者が的を絞り切れず、なかなか掴まえる事が出来ない。
ようやく7回新井良がセンターへ5号ソロ本塁打を見舞い完封を阻止するが、打ち崩すまでには至らなかった。「前半は苦しんだけど、粘り強く投げられた。変化球でカウントを取れたし、ゲッツー(併殺3)も多く取れた」と、プロデビュー登板以来の阪神戦に8回(107球)5安打6三振3四球1失点で今季5勝目をマークした菊池雄星投手は振り返る。
結局、阪神が5対1で完敗を喫した。「そう簡単に打てる投手じゃない。接戦に持ち込む戦い方をしないといけないのに…」。和田 豊監督は悔しさを滲ませる。「スタンは粘り強く投げていたけど、4回のああいうプレーから流れは変わって来る。守備で負けるのは面白くないなぁ~!(新井貴は)ツヨシの捕り方見てたら十分予測出来たと思う。いつも言ってる準備が出来ていない」と厳しく指摘し、今後の戒めにするかのようだ。
苦い敗戦の中で、リリーフした鶴が2回を1安打無失点。玉置も2回を3人ずつでピシャリと抑えた。1・2打席と連続三振だったコンラッドも7回には積極打法で二塁打を放ち、浅井も最終打席で今季初ヒットをマークしたのは、光明だった。