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鮮やかな逆転劇！単独首位に！
思い切った代打攻勢で勝負を懸けた阪神が鮮やかな逆転勝利を飾り、今季初めてセ・リーグ単独首位に立った。
福岡ソフトバンク右腕パディーヤとの初対戦となった阪神は、前日のヒーロー大和を２番に戻して挑むが、『動く速球』を軸にツーシームなど変化球の制球も良いパディーヤの投球になかなか対応出来ない。
ヤフオクドーム初見参の阪神先発ルーキー藤浪は、５連勝中＆２試合連続２ケタ得点のホークス打線を相手に初回は内川を見送り三振に仕留めるなど３者凡退のスタート。２回には松田・長谷川に連打され重盗で揺さぶられるが、最速１５０Ｋｍ/ｈの速球とカットボールを効果的に使ってラヘア・柳田・今宮と３連続三振で切り抜けた。３回も一死後１・２番の連打でピンチを迎えるが、フルカウント（走者スタート）から内川を内角変化球で空振りさせる三振ゲッツーで脱出する。
良く凌いでいた藤浪だが、５回裏二死３塁で１番中村にレフト前にタイムリーヒットを打たれ、福岡ソフトバンクに先取点を許した。続く６回にもラヘアにセンターオーバーの適時二塁打を浴びた藤浪は、５回１/３（１０３球）８安打７三振１四球２失点で筒井と交代。「調子自体は良かったが、先頭打者への四球（５回）など中盤以降を粘ることができなかったのが反省点」と振り返った。
２点を追う阪神は７回表マートン・新井貴の連打、坂バントの一死２・３塁から新井良の代打・今成がレフトへ犧飛を打ち上げ１点を返す。和田監督は藤井彰にも代打・桧山を起用する積極采配。猛虎生え抜きのベテランがその期待に右中間を破る同点二塁打で応えた。「打ったのはストレート。ナリ（今成選手）が犠牲フライで点を取ってくれたので、もう一本打てればこっちのペースになると…何としてでも走者を還したかった」と桧山進次郎外野手が笑顔を見せる。
「あそこで（桧山が）長打を打ってくれて良かった。シングルなら代走を出せない状況だったから…」と指揮官が後でポイントに上げた場面で９番柴田も右前安打で代走・荒木を返し、動く球に苦しんでいた阪神がパディーヤを一気に攻略！３対２と逆転に成功した。「みんなが繋いでくれたチャンスだったので絶対決めてやろう！と打席に入った」。故郷福岡で観戦する家族を前に勝ち越し打を放った柴田講平外野手が、声を弾ませる。
阪神は８回にも大和、鳥谷の連打で無死１・３塁としてマートンの右犧飛でリードを広げるが、その裏３番手の渡辺が福岡ソフトバンク松田に豪快な一発を浴びて再び１点差に…。それでも加藤-安藤と繋いで、４対３で逃げ切った。
巨人が埼玉西武に敗れたため今季初のセ・リーグ単独首位に立った阪神だが、「（まだ）６月アタマなんで、今どうこう言うのはない。とにかく交流戦を１試合１試合（しっかりと）戦っていくしかない！」と和田 豊監督の反応はとても控え目だ。
「ここからですね！ 首位になっても、やることは変わらない。ボクは地道に任された仕事をしっかりやるだけです！」。ヒーロー柴田の声が、ナイン全体の思いを代弁していた。
