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強い猛虎!6年ぶり開幕3連勝
序盤から効果的に得点を重ねた阪神が、先発右腕の安定感を軸に手堅く試合を運んで快勝。6年ぶりの開幕3連勝を飾った。
昨年2月逝去された名将・野村克也元監督の追悼試合。両チームの監督・コーチ・選手全員が背番号「73 」を着けて臨む。必勝を期す東京ヤクルト先発は、高卒2年目・期待の抜擢となる右の本格派・奥川。阪神は初回一死から糸原・中前安打とマルテ・四球で好機を作る。大山・三邪飛で二死となるが、5番サンズが左中間適時二塁打を放って1点を先取した。ジェリー・サンズ外野手は、「打ったのはストレート。ケント(糸原)とマルテがいい仕事をして出塁してくれたし、ジョー(ガンケル)の為に先制点を取るという仕事が出来てよかったよ」と先制打を振り返っている。
奥川はフォークも冴え、次の回を3者三振に抑えてエンジン全開になりかけるが、3回表二死3番マルテに抜けた真っ直ぐをレフトスタンドへ持って行かれる。今季1号ソロを放ったジェフリー・マルテ内野手は、「どんな状況でもポジティブな気持ちで取り組んでいる事が良い結果に繋がったね。これからそういう気持ちは忘れずにやっていくよ」と、上機嫌に話した。
阪神先発・ガンケルに対してヤクルトは1番に山崎を入れて、坂口は6番。前日プロ初安打と初本塁打を記録したルーキー元山が、7番ショートでプロ初先発となった。立ち上がりから変化球の切れも上々なガンケルは、序盤を順調に滑り出す。
4回裏ヤクルトは、先頭・青木の左越え二塁打から村上・四球もあって一死1・3塁とする。初めての大きなピンチを迎えたガンケルは、5番内川を空振り三振。続く坂口には粘りに粘られるも12球目をニゴロに抑え、窮地を辛うじて脱した。
すると5回表。阪神は先頭・木浪の左前安打の後 ガンケル・バント失敗と近本・併殺崩れで二死1塁となるも、2番糸原が甘い真っ直ぐを逃さず右中間へ適時二塁打放ち貴重な3点目を入れた。「ガンケルも頑張ってくれていますし、展開的にも追加点の欲しい場面だったので打つ事が出来て良かったです」。名誉キャプテンとして奮闘する糸原健斗内野手が、勝負強いところを示している。
ヤクルト・奥川は、5回(74球)を投げて5安打5三振無四球3失点。真っ直ぐの走り・制球共に素晴らしかったが、失投をことごとく仕留められた悔しさは残る。「調子自体は悪くはなかったですが、失点の仕方が良くなかった」 。反省の弁を述べた奥川恭伸投手だが、佐藤輝との対決では完璧な内容を見せるなど、高津監督にとっては今後のローテーションを回す意味で十分に目処が立つ投球だったと言えるだろう。
阪神・ガンケルは、テンポ良くストライク先行でリズムを作る安定感で6回(108球)まで投げて、3安打5三振2四球 無失点と満点に近い内容だった。6回以降ヤクルトは近藤〜坂本と繋ぎ懸命に追加点を防いでいたが、4人目・吉田大喜が登板した8回表。阪神は先頭・糸原が3安打目の右中間安打で出塁し、暴投で代走・中野が得点圏に進むと3番マルテの右前適時安打で生還する。大山は左二塁打でチャンスを広げ、5番サンズが左中間へとどめの3号3ランを打ち込んだ。
阪神は7回裏を加治屋がゼロに抑えたが、8回裏3人目のルーキー石井大は3番 山田にバックスクリーンへ今季1号2ランを浴びて失点する。それでも9回表に途中出場・山本の右犠飛で1点を加えた阪神が、最後を小野が締めて8対2で勝利。開幕3連勝は 2015年(対中日・京セラドーム大阪)以来だが、敵地では岡田監督時代の2004年(対巨人・東京ドーム)以来17年ぶり開幕カードでのスイープとなる。(神宮・ヤクルト戦は球団史上初)ヒーローインタビューは、来日後先発としての初勝利を飾ったジョー・ガンケル投手だ。「今季初登板で勝てた事は、素直に嬉しい。(4回裏坂口との勝負では)非常に良い打者なので、失投しないように良い球を良いコースに投げて、強い当たりだけは避けたかった。(野村克也さんの追悼試合について)日本野球に偉大な功績を残した方だと思う。そういう方の追悼試合に投げる事が出来たのは大変光栄です」と語り、最後は日本語で「タイガースファン。いつもありがとう!」と叫んで、締め括った。
細部では修正しなければならない点も勿論あるが、阪神にとっては投打が噛み合って最高の形で今季のスタートを切る事が出来た。長いペナントレースは、始まったばかり。兜の緒を締めて一戦一戦、悔いを残さないプレーの積み重ねを期待したい。