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山本が決めた。劇的なサヨナラ勝ち
ゴロアウトで凡打の山を築く、球界屈指のグラウンダーが持ち味を存分に発揮した。
先発の青柳は立ち上がりに1死から安打を浴びたが次打者を思惑通りの併殺打に打ち取りピンチを広げない。多彩な球種で狙いを絞らせないだけでなく、クイックを織り交ぜるなど技を駆使してタイミングを外す。5回まで毎回走者を背負ったが併殺を2つ奪い3塁を踏ませなかった。
6回には2死満塁、7回にも2死1、2塁としたがどちらも浅いカウントからショートゴロに打ち取りピンチ脱出。無失点ピッチングを続けていた。
好投の青柳を援護したい打線は4回に好調な糸原がチーム初安打を放つものの後が続かない。矢野監督は局面を打開しようと6回1死1塁からエンドランを仕掛けるが不運にもライナーゲッツー、ホームの遠い時間が続いていた。
それでも青柳が8回途中を無失点に抑えると岩崎が1死1塁から好リリーフ、9回はスアレスが160km/hに迫る豪速球で三者凡退に抑え中日打線に得点を許さなかった。
負けのなくなった9回裏、代打の原口が粘りに粘って四球をもぎ取り、先頭打者を出塁させる。代打の北條は送りバントで代走・熊谷を2塁に進めお膳立てを整えた。その後、2死1、2塁となり打席には途中出場の山本向かう。巨人から移籍してきたユーティリティプレーヤーが初球を振り抜くと打球はグングン伸びて前進守備の外野の頭を越え、投手戦に決着をつけるサヨナラ打となった。
「初球から積極的にいく気持ちで打席に入りました。タイガースの一員になれた気がして嬉しいです」
試合後の矢野監督の表情はもちろん喜びに満ちていた。殊勲打を放った山本を讃えるのはもちろんのこと「フミ(原口)が何とか見極めて出てくれましたし、ジョー(北條)もドキドキしてずっとベンチで準備してましたし、もちろんその前には青柳や中継ぎの頑張りがあったからこそなんで、こういう試合だから勝ちたかったですね」と全員で掴み取った勝利であることを強調。全員野球でのサヨナラ勝ちで勢いがつかないはずがない。明日はカード勝ち越しをガンケルに託す。
