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7連打、5連続適時打で連敗ストップ

何度もチャンスメイクしてきた頼れる1、2番コンビは走者を還す能力も高かった。

1点を追う2回、2死から梅野と青柳の連打でチャンスを作ると近本がライト前に同点の適時打を放つ。

「ツーアウトからつないでくれたチャンスだったので、何としても同点という気持ちはあったんで、結果的にヒットになったのは嬉しいですね」

この一打で1走の青柳はきっちり走塁もこなし3塁に到達。楽な状況を作ってもらった糸原も勝ち越しとなる適時打を放った。

チャンスを作る側の2人が決める側にまわると、本職のクリーンアップも黙ってはいられない。不動の3番を務めるマルテ、打順を4番に上げたサンズ、オールスターファン投票でセリーグトップの票数を集めた5番の佐藤輝も適時打で続く。なんと2死からの7連打で5得点、見事な集中打で一気に試合をひっくり返した。

「連敗を絶対止めるという気持ちでマウンドに上がりました」という先発の青柳は初回を三者連続三振という抜群の立ち上がり。2回に一発を浴び先制許すがその裏に自らの打撃と走塁も絡んで逆転してもらうと7回を5安打2失点に抑え試合を作る。与えた四球は1つだけで、ゴロアウトが持ち味ながらイニング数を上回る9つの三振を奪う快投だった。

8回は岩崎が、9回はスアレスが共に6月22日以来1週間ぶりとなるマウンドに上がった。岩崎は一発こそ浴びたもののリードを守り、すでに22セーブを挙げている守護神のスアレスは160km/hの豪速球でヤクルト打線を寄せ付けない。鉄壁リレーで逃げ切りに成功した。

この日は両チームで指揮を執った野村克也氏の追悼試合。矢野監督は「野村監督に出会っていなければ3割打つとか20年やるとかなかったですし、(ヤクルトの)高津監督も教え子ですけど、(野村)監督の教えを伝えていきながらしっかりやっていければいいなという思いで戦いました」野村監督が重視したのは打つや投げる以外の"無形の力"。2回に放った7安打は全て単打だった。長打は1本もなかったが各走者が2つ先の塁を奪うことで5者連続の適時打を生み出した。名将の教えは今もチームに息づいている。