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岩崎、スアレスの回跨ぎで守り勝ち

試合前、首位攻防戦第2ラウンドの準備を進めるチームの元へ吉報が届いた。ウエスタンリーグを制した2軍がファーム日本選手権で2点ビハインドの9回に3点を奪い逆転に成功、見事3年ぶり6度目の日本一の栄冠に輝いた。追い込まれた状況でも諦めない姿勢は球団全体に浸透している。1軍も小虎の活躍に負けてはいられない。初回から攻守のビッグプレーで球場を沸かせた。

2つの四球で作った1死1、2塁のチャンスに大山が三遊間を破る適時打を放った。

「先制のチャンスで、どんな形でもランナーを還したいと思って打席に入りました。間を抜けてくれて良かったです」

先手を取るとその裏の守備では2死1、2塁のピンチにセンターの近本が大飛球をフェンス手前でジャンピングキャッチ。大ファインプレーでチームを救った。

攻撃でも守備でも援護を受けた先発の秋山はヤクルトに対して2019年から6連勝中。今季は相性の良い広島戦での登板が多かったが鯉キラーであると同時に燕キラーでもある。中10日でのマウンドでは今季初めてバッテリーを組む坂本の大胆なリードも功を奏し、勝負所でインコースを突いてヤクルト打線を封じ込める。5安打を浴びながらも5回を1失点にまとめ試合を作った。

「テンポよくゲームを進めることができなかったことは反省ですが、なんとか最小失点でゲームを壊さず次に繋ぐことはできたと思います」

打線は2回以降、追加点を奪えていなかったが1-1の同点で迎えた7回に下位打線が機能した。先頭のロハス・ジュニアが安打で出塁し、坂本の送りバントで代走の熊谷を2塁に進める。この絶好機に島田の放った打球は1塁ベースに当たって大きく跳ね、ライト線を破る。値千金の適時2塁打となった。

「自分で絶対にこのランナーを還すという気持ちでバットを振り抜きました。打った瞬間は『うわ、やってしまった』と思ったんですけど、ベンチの思いとファンの方の声援がああいう打球を生んでくれたと思うのでありがとうございます」

ラッキーな形で勝ち越しに成功するとその裏は岩崎がヤクルトの上位打線から2つの三振を奪って三者凡退。8回の先頭打者も内野ゴロに仕留めパーフェクトリリーフを見せた。8回1死からは守護神のスアレスがマウンドへ。いつもより早い出勤にも動じず2人の打者を打ち取った。9回に満塁としてしまったが何とか踏ん張り、1点のリードを守り切った。

切り札2人のイニング跨ぎは指揮官からのこれ以上ないメッセージ。明日の試合もがむしゃらに勝利だけを追い求める。