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負けられない思いと雨柳さん炸裂
気温は下がり雨の降る甲子園、野球をする条件として好ましいものではなかったがナインの心は熱く昂っていた。首位ヤクルトとの直接対決、絶対に負けられない思いが初回から攻守で炸裂した。
12勝を挙げている勝ち頭、先発の青柳は立ち上がりに1死満塁のピンチを招くがインコースに食い込む変化球でショートゴロを打たせ、併殺によって切り抜ける。打線は1番に抜擢された島田が「泥臭いヒットが僕の持ち味なので、何としても塁に出てやろうと試合前から思ってました」とセンター返しの安打で出塁すると矢野監督がいきなり仕掛けた。ペナントレースが終盤になるにつれ、中野は送りバントの機会が増えていたがエンドランのサインを出す。大一番の大事な場面にルーキーは広く空いた三遊間にゴロを転がし、レフト前に打球を運んだ。無死1、2塁からは近本がライトスタンドに先制の3点本塁打を叩き込む。自身初となる2桁本塁打は記録と記憶に残る一発となった。
初回だけヒヤヒヤさせた青柳だったが2回以降は本来の投球を取り戻す。ホームベースの横幅を目一杯に使ったコーナーの出し入れで無失点ピッチングを続けた。試合途中から降り出した雨の影響で30分近い中断あったが"雨柳さん"の異名を持つ右腕には全く問題なし。4回の打席では四球を出さないことで有名なヤクルトの先発・奥川から四球をもぎ取った。2死1、2塁とチャンスを拡げると島田がセンター前に弾き返し、2走の木浪が間一髪のタイミングで生還を果たす。さらに中野の適時打で青柳もホームを駆け抜けた。欲しかった追加点を奪い、5-0とリードを広げて試合の流れを引き寄せると猛虎打線は止まらない。5回にも木浪の適時打で1点を加え、青柳のセンターオーバーの2点適時2塁打と島田の適時打で突き放す。5回までに13安打を放ち9得点、前半で試合を決めた。
左うちわの後半戦も攻撃の手を緩めず7回に2点を追加、余裕のある展開のままヤクルトを押し切った。投げては7回3安打無失点、打っては長打を放って2打点を挙げた青柳は「負けていい試合なんか1試合もないんで、絶対勝つという気持ちでマウンドに上がりました」とお立ち台でも強い決意をにじませた。
ヤクルトが奥川を先発に立てた試合で勝利を収め、逆転優勝への第1関門を突破した。矢野監督は「うちは勝つしかないんで。明日勝ったらもっと面白いことになると思うんで、良いイメージを持って全員で挑戦していきます」残り5試合、全員野球で閉ざされかけた扉をこじ開ける。