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ガンケルが魂の好投も痛い引き分け
ヤクルトとの今季最終戦は負けた瞬間に優勝の可能性が限りなく0に近くなる一戦、ここまで必死の戦いぶりで首の皮一枚残っている状態なだけに先発投手にかかるプレッシャーは計り知れないはず。そんな大事なマウンドでガンケルが渾身の投球を見せた。
テンポ良くストライクを奪って有利なカウントを作り、ボール球で仕留める理想的な内容。非常にリスクの少ない方法でアウトを積み重ね、序盤3回を32球で無失点に抑えた。4回はヤクルト打線の顔とも言える青木、山田、村上を三者連続三振。制球力に優れた好投手が豪腕の一面も覗かせた。
援護したい打線は5回に先頭の糸原が安打を放ち出塁する。無死の走者を出すと大山も安打で続いた。打順が下位に向かう中で矢野監督も攻めた。無死1、2塁から小野寺に出したサインはバスター。しかし不発に終わり得点には繋がらない。ヤクルト先発・高橋攻略の糸口がつかめないままイニングが進んでいた。
両チーム無得点の7回に1死1塁で村上を打席に迎えると、一発だけは許されない場面でガンケルと坂本のバッテリーはインコースを続けて攻める。コース、高さも完璧なストレートにリーグ本塁打王は全く手が出ず見逃し三振に倒れ、盗塁を試みた山田は坂本が刺した。安定感抜群のガンケルは7回まで85球で無失点に抑える。8回に2死から内野安打で走者を出し、左打者を迎えたところでマウンドを降りたが、先発投手としてこれ以上ない働きだった。
後続を岩崎がしっかり抑えるとその裏の攻撃では代打攻勢。木浪、糸井を送り込んだ。継投然り、代打然り、ベンチとして打てる手は全て打つがそれでも試合は動かない。9回はスアレスが先頭打者に四球を与えたものの2死を奪い、山田に対して161km/hの豪速球を続けて投げ込みセカンドゴロに打ち取った。
ガンケル、岩崎、スアレスの好投によりついに0-0のまま9回裏を迎えた。最後の攻撃は先頭の中野が安打で出塁し、近本がセーフティ気味に送りバントを成功させる。1死2塁とサヨナラ勝ちへの期待が高まったが、最後の一押しは出来なかった。
追う側のチームにとってペナントレース最終盤の引き分けは現状維持ではなく半歩後退に等しい。試合後の矢野監督は「うちの立場では勝たないと厳しくなるのはわかっているんですけど、全員で精一杯戦った結果なんで受け止めて残りの試合やるしかないですね」と厳しい状況は理解しつつそれでも前を向いた。残り4戦とわずかな可能性に懸ける。