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大山の一発で横田に捧げる逆転勝利
絶対に負けられない理由がいくつもあった。長期ロード前の甲子園6連戦の初戦。相手はオールスター後に調子を上げておりここで叩いておきたい巨人。そして何より大きな可能性を秘めながら病に倒れた横田慎太郎の追悼試合だった。
初回に近本がショート後方に落とし復帰後初安打を放つと、2死1、2塁から佐藤輝がインコースの厳しい球を弾き返す。ライト線への適時2塁打で先制に成功した。
先発の西純は立ち上がりから走者を背負う投球となったが粘り強く試合を作った。初回は無死1塁から併殺を奪い、2回も先頭打者に安打を浴びたが次打者はインローへ150km/hのストレートをズドン。見逃し三振に仕留めピンチを広げない。被弾して同点を許した4回もその後のピンチは後続を断ち、勝ち越しを許した5回はファースト・大山の好守備に助けられた。7安打されたが5回2失点、先発の役割を果たした。
6回は島本がマウンドに上がり三者凡退。木浪、中野の二遊間の好守備により1人も走者を許さなかった。
するとその裏の1点を追う攻撃で1死1塁から大山がレフトスタンドへアーチを描いた。
「入るかな、どうかなと思ったんですけどスタンドまでヨコ(横田)が運んでくれたんじゃないかなと思ってます。(ベンチではヘルメットを天に掲げ)ありがとうという気持ちを持ってそういう行動をしました」
4番の一振りで3-2と逆転、試合をひっくり返した。
7回には横田と同期入団の岩貞がマウンドに上がり、走者をためたがセカンドゴロの併殺打で無失点。「いつもとは全く違う気持ちで、ヨコの気持ちも背負って投げました。ピンチになった時は抑えさせてくれるだろうなということを横田に向けて独り言を言いながら、投げて抑えられて良かったです」
その裏には大山が適時打を放ち再び打点を上げる。貴重な1点を加えリードを2点に広げた。
8回は加治屋がきっちり三者凡退。そして9回は横田と同期入団の岩崎が「ホントに勝てて良かったです。1日1日良い報告が出来るようにしていって、最終的に1番良い報告が出来るようにと思います」と締めくくった。
マスクをかぶった梅野も含め2014年入団組みの活躍により見事な逆転勝利。価値ある大きな1勝をつかんだ。
