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TORABAN Tantou Kisha ColumnCOLUMN INDEX

Vol.2011-30 来シーズン笑うために!! 安芸秋季キャンプがスタート


関川浩一 外野守備走塁コーチ

シーズン前には優勝候補と期待されながら、タイガースは屈辱のBクラスに終わった。3年間指揮を執った真弓明信監督の退任が決定し、和田豊前打撃コーチが新監督に就任。ヘッドコーチに有田修三氏、外野守備・走塁コーチに関川浩一氏を迎え入れ、ファームからは藪恵壹投手コーチ、高橋光信打撃コーチが昇格するなど、来季の一軍組閣も確定。新指揮官のもと、11月3日からは高知県安芸市で秋季キャンプがスタートした。


俊介 選手

キャンプでは毎朝配られる練習メニュー表なるものがある。そのメニューを見て、選手がどんな練習をするのかが分かるのだが、キャンプ初日、午後の打撃回りで全組に名前を連ねていたのが俊介選手だった。居残り特打を含めれば約4時間、打ちっぱなし。そのスイング数は900近くを数え、夜間練習を含めれば軽く1000を超えた。今シーズンは開幕スタメンに名を連ね、4月は打率.347、1本塁打と好スタートを切ったが徐々に失速し、シーズン途中には2度ファーム落ちするなど、レギュラー獲りに失敗。その悔しさを晴らすべく、今キャンプでは頭のてっぺんから指の先まで野球に浸かるつもりだ。翌日には柴田講平選手もこのメニューを消化するなど、個人の徹底的な底上げを図っている。

キャンプ2日目には野手を2組に分け、バントの攻防で得点を競うバントゲームを実施。1イニング4アウトで四回制、無死一塁から、打者はバント、バントエンドランと、1回につき1度のバスターしかできないという縛り。着実に塁を進められれば点が入る計算だが、2組とも無得点に終わった。統一球が導入された今シーズンは、チームの本塁打数、得点数ともに昨シーズンと比べて激減した一方、リーグ優勝を果たしたのはチーム打率、チーム得点数リーグ最下位ながらも、走塁や進塁打を含めた小技をきっちり決めて接戦をものにした中日。『1点の重み』を再認識させられたシーズンとなっただけに、今キャンプでは基本の徹底をみっちりと仕込まれそうだ。


安藤優也 選手

最年長が27歳の清水誉捕手という若手中心の野手メンバーに比べて、不振、故障に泣いた中堅、ベテラン組も参加した投手陣。初日からエンジン全開でキャンプをスタートさせたのが安藤優也投手だ。2008年から3年連続開幕投手を務めるなど虎投の中心的存在だったが、今シーズンはわずか1試合の登板に終わり、プロ入り初の勝ち星なしでシーズンを終えた。ここ2年の不振を払拭すべく、キャンプ初日からブルペンでは直球主体で151球を投げ込み、第1クール最終日にはシート打撃にも登板し、新しい変化球を模索。来季の復活にかける強い思いが行動に現れている。


久保田智之 選手

FAで入団しながら今シーズンは不本意な成績に終わった小林宏投手もキャンプに参加。第1クールはランニング、体幹トレ中心のメニューを消化した。昨年は日本一となった千葉ロッテマリーンズのクローザーとして11月の半ばまでポストシーズンを戦い、その後はメジャー移籍もにらんでFA権を行使。タイガース入団会見は春季キャンプ直前の1月28日と慌ただしいオフを過ごした。それに比べて、タイガースの一員として来季を見据えた計画的なトレーニングも行える今オフの充実度は比べ物にならない。同じくセットアッパーとして期待を裏切ったもう一人の“K”久保田智之投手も秋季キャンプに参加し、初日からブルペン投球、安芸球場から宿舎まで約13キロを志願のランニングと精力的に練習をこなしている。小林宏、久保田投手の両セットアッパーの不振は、ルーキー榎田大樹投手の負担を大きくしていただけに、優勝に向けて彼らの完全復活は欠かせないものだ。

今シーズンは4位で終わったタイガースだが、ポジティブにとらえれば、まだクライマックスシリーズ、日本シリーズを戦っている球団もあるなか、来シーズンへのスタートをいち早く切れたとも言える。陽がどっぷり暮れるまで練習に明け暮れる選手たちの様子を見る限り、来シーズンはこのアドバンテージを最大限に生かしてくれそうだ。