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若トラまとめ 板山選手

vs.髙山!

「ルーキーは髙山だけじゃないので、応援よろしくお願いします」

5月6日の対ヤクルト戦(甲子園)、プロ6試合目の先発で5番ライトに入り、初回の先制タイムリーで初めて聖地のお立ち台に上がった板山祐太郎選手。同期としてタイガースへの入団が決まった時から、ルーキーイヤーのシーズンを終えて臨んだ秋季キャンプでも、同級生のドラフト1位、髙山選手へのライバル心を大きなモチベーションにし、それを結果につなげてきました。

[2016/5/6] 1回裏、板山選手が5番起用に応えるライト前先制2点タイムリーヒット!

急成長で注目の存在に

神奈川県横浜市の出身。小学校2年の時から野球を始めましたが、中学時代までは体も小さく控え選手。しかし東京の成立学園高校に進学後は1年生から内野手のレギュラー入りして活躍。憧れていた甲子園出場はならなかったものの、3年生の時には当時日大三高の髙山選手や、現在広島で活躍する二松学舎大附属高の鈴木選手らと共に日米親善高校野球東京都選抜メンバーに選ばれるなど、次第に頭角を現し始めます。

そして大学は、東都大学リーグの名門、亜細亜大学に進学。大学では外野手に転向して、1学年先輩の山崎康投手(現・DeNA)らと何度も大会のベストナインに選ばれる活躍を見せました。

そして2015年のドラフトで、タイガースから6位指名。指名後に臨んだ最後の大会、明治神宮野球大会では、チームの副将として亜細亜大を2年ぶり5回目の優勝に導きました。

アピールポイントは走攻守にわたるスピードとフィジカル面の強さ。入団時の体力測定では、瞬発力や跳躍力でチームトップクラスの数字をマーク。1月の新人合同自主トレを視察した掛布ファーム監督は、「まだ粗削りだけど体の強さがある。一番強く振れている」と注目していました。またその反骨心、負けん気の強さも金本監督好み。本人も下積みから這い上がった金本監督を憧れの存在として目標にします。

悔しさを力に

迎えた初めての春季キャンプは手術上がりの髙山選手と同じく、安芸ファームスタートとなりましたが、少しでもチャンスを増やすために、大学2年生以来の内野守備にも挑戦します。バッティングでもメキメキ力をつけ、シート打撃や練習試合などでアピール。2月25日から髙山、原口選手と共に、沖縄一軍キャンプに合流します。

そのキャンプ最後の紅白戦(2月28日)に初めて先発出場した板山選手は5回、右中間を破り、快足を飛ばしてスリーベース。しかしその後は目立つ結果を残せずにオープン戦序盤でファームへ戻ることに。

一軍では髙山選手や横田選手といった同じ若手の左打ち外野手が結果を残し注目を浴びる一方で、開幕は悔しいファームスタート。しかし、掛布監督の指導の下でしっかりとフォームを固め、一軍昇格を視野に置いてバッティングの技術を磨きます。そして開幕から約一カ月がたった4月21日、待望の一軍初昇格を果たします。

記念すべきプロ初ヒットは甲子園球場、初めて1番でスタメンに抜擢された5月1日の対DeNA戦でした。3点ビハインドで迎えた3回、一死一塁の場面で山口投手から左中間への2ベース。初打席から11打席目にして飛び出した初ヒットは、チームの反撃ののろしとなるタイムリーに。

その後も度々スタメンで起用されるようになり、クリーンアップの一角を任される試合もありましたが、それも長くは続きませんでした。与えてもらったチャンスをものにすることができず、6月2日からはふたたびファームへ降格。そこからしばらく一軍の舞台から遠ざかります。

ファームで地力を

板山選手はその悔しさを胸にファームで奮闘。7月に倉敷で行われたフレッシュオールスターメンバーにも選ばれて、5番ライトで先発出場。一打席目に高校の先輩、巨人の長谷川投手からライトポールを直撃するホームランを放ち、この試合で見事、優秀選手賞を受賞します。

夏場のファームでは外野だけでなくセカンドでの起用も多く、来るべき昇格の時に向けて炎天下で汗を流し続けた板山選手。9月に入り、約三か月ぶりにようやく一軍の舞台に戻ります。10日、神宮球場でのヤクルト戦で登録即スタメン復帰すると、早速1打席目にセンター前ヒット。19日の巨人戦(甲子園)では、二回の第一打席で高木投手から、一軍で4か月ぶりとなるタイムリーを記録し、チームの甲子園対巨人戦連敗脱出に貢献します。

結局、板山選手はそこから最後まで一軍にとどまり、ルーキーイヤーの成績は、40試合の出場で106打数25安打5打点、打率は.236。その数字は「負けたくない」と常にライバル視してきた髙山選手と比べるまでもなく、本人も到底満足できるレベルには達しませんでした。しかしプロの第一歩としては、今後に十分期待を抱かせる素質の片りんを見せたシーズンでもありました。

充実の秋

シーズン終了後、板山選手はすぐに宮崎に移動してフェニックスリーグに参戦。全11試合に一番打者として先発し、3試合連続猛打賞を記録するなど、打率は.333。続いて行われた秋季キャンプでは、金本監督から強化指定選手に指名され、さらなる体力強化に努める一方で、打撃面では金本監督から徹底的な技術指導。また継続して取り組んできたセカンド守備では、実戦練習などでも一軍首脳から十分な及第点。さらにショートやサードの守備練習もこなしていました。

キャンプ期間中、唯一の対外試合となったLGツインズとの練習試合では、5回にライトフェンスにライナーで突き刺さる3ラン。今季のホームラン数は一軍では0本、ファームでも1本と寂しいものでしたが、金本監督が「大化けするかもよ」と言うように、その潜在能力には期待ができそうです。

そのゲーム後には、「髙山が打ったので、自分も打たないと…」と、やはり意地のコメント。さらなるポジション争いの激化が予想される2017年で巻き返すため、まずはレギュラー定着を狙います。

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