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和田豊新監督が就任会見を行いました
2011年10月28日 更新

28日(金)、来季の一軍監督に和田 豊氏(49)(現一軍打撃コーチ)の就任が決まり、同日坂井信也オーナー、南信男球団社長同席の下、大阪市内のホテルで就任の記者会見を行いました。皆さま来季も阪神タイガースへ熱いご声援をよろしくお願いいたします。

坂井オーナー、南球団社長、和田監督コメント(会見より)

-初めに阪神タイガース坂井オーナーから皆さまにご挨拶を申し上げます。

坂井:当球団の一軍監督の就任につきまして発表させていただきます。真弓監督の退任を受けまして、現在一軍打撃コーチをしていただいております和田氏が監督に昇任していただき、指揮をとっていただくことになりました。和田氏は現役時代、そして指導者としてタイガース一筋27年間にわたり在籍され、チームの良い時も悪い時もよくご存じな方でございます。とりわけ昨今のコーチ経験を活かしまして、過渡期にありますタイガースの戦力と課題をよく理解しておられる方です。先日監督就任の要請を行いましたところ、快諾していただいた次第であります。和田新監督には監督という重役を担っていただきますが、私をはじめフロントがしっかりとバックアップをして共に闘う所存でございますので、皆様方よろしくお願いいたします。

-それでは32代阪神タイガースの監督に就任されました、和田豊新監督のご挨拶をお願いします。

和田:現役で17年そしてコーチとして10年間、阪神タイガースでユニフォームを着させていただいております。現有戦力はしっかりと把握しております。1年目からしっかりと勝負していきたいと思います。改めまして来年より伝統ある阪神球団の指揮をとらせていただきます、和田豊です。強い決意と信念を持ちまして監督業に取り組みたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。

-坂井オーナーに質問させていただきます。和田新監督にお決めになった理由をお聞かせ下さい。

坂井:先ほども申し上げたとおり阪神タイガース一筋27年間にわたって、本当にチームの苦しい時、良かった時を含めてずっと縦縞のユニフォームを着ていただいておるということもあり、本当にタイガースの事は隅から隅までよく把握されているということもありますし、タイガースにかける愛情といいますか、想いもひとしおのものがあると思います。そういったところを、今、過渡期にあるタイガースをなんとか立て直していくことが出来るのではないかと判断しお願いいたしました。ただ本当に厳しい状況の時ですので、和田さんに非常にご迷惑をかけるなと。あるいは一生懸命に苦労をしていかないといけないということで、信頼にいたる人事だと思って監督をお願いしました。

-今日から新体制が始まるわけですが、和田新体制に期待することをお願いします。

坂井:やはり阪神タイガースは6年間優勝していませんし、現有の戦力といいますか、素晴らしい選手がおりますので、やはり優勝を狙いたい。それには新しい力もミックスして、現有戦力に新しい力を加えて、就任1年目から大きな課題ではありますが、優勝を狙えるといいますか、優勝を是非ともしていくという目標で戦っていただきたい。そういう風に期待をしております。

―それでは和田監督。今の心境はいかがでしょうか。

和田:本当に大役を仰せつかりまして緊張しております。今シーズンのこともありますし、現在の状態、そういうものを考えますと、嬉しいとか浮かれるようなそういう要素は何一つありません。このお話をいただいた時もその思いがあり、今まで歴代の監督をされている方を見てきておりますので、大変な仕事だなと実感しております。

-ということは、そういうお話があった時は悩んだりされたのでしょうか。

和田:悩んだというか今シーズンの成績、真弓前監督を退任させてしまった責任を感じていましたし、少し悩んだ時期はありました。

-お決めになった一番の大きな理由はなんでしょうか。

和田:子供の頃から野球は好きでやってきたのですが、どのタイミングかは忘れましたが、ある日野球より阪神タイガースというものが自分の中で比重が野球を越える瞬間がありました。そういうこともあり、ここ5、6年優勝から遠ざかっていますので、本当に必死になって応援していただいているタイガースファンの皆さんには辛い思いというか、そういう思いをさせておりますので、なんとか阪神球団の力になりたい。応援していただいている皆さんに喜んでいただきたい。その一心からやらせていただく事になりました。

-チームづくりという事になりますが、まずはどんな野球を目指していこうとお考えですか。

和田:まず、ホーム球場の器にあった野球といいますか、今すぐという訳ではないと思いますが、シーズンの半分は甲子園でやる訳ですので、広い甲子園球場に対して投手陣も含め、センターラインをしっかりと強化しまして「守りの野球」これが理想ではありますが、現有戦力から考えますと、すぐ明日からといわけにはいかないと思いますので、その中で現在の戦力に少しスパイスを加えれば十分優勝争い、優勝の出来るような戦力はあると思いますので、そう言った意味でも現在の戦力と、後は少しずつ出てきた若手を加えまして新しいタイガースを作っていけたらなと思っております。

―スパイスをミックスさせれば、と仰いましたが具体的にどういう部分が今少し欠けている所と考えておられますか。

和田:それは昨日ドラフトがありましたが、新人選手だったり、またこれから補強も色々と考えていただけると思います。それプラス頭の部分というか走攻守、技術だけではなく、野球を知るというか、基本的な部分をもう少ししっかりと叩き込んで、そのことによって大きく変わることがたくさんあると思いますので、このあたりはとにかくもう粘り強くやっていこうと思っています。

―坂井オーナーが過渡期のチームと仰いましたが、ベテランの年齢が高くなる中で、若い選手も増えてきました。そのあたりのベテランと若手の比重、こういったところを監督はどういう風にお考えでしょうか。

和田:まだまだ頑張ってもらう選手もいますし、その中で(ベテラン選手)がいなくなったからそこを守るのではなく、いるうちにしっかりと力をつけて、この選手だったらこのポジションを譲っても仕方がないというぐらいの、そういう競争をしていってもらいたい。と言いますか、させたいなと思っております。

―まだ監督の口からは具体的な選手名は出てきておりませんが、特にこの選手にはチームを引っ張ってもらいたいという選手がおられましたら、挙げていただけますか。

和田:やはり野手では鳥谷、ピッチャーでは藤川球児。このあたりがしっかりと中心になって、チームを引っ張って行ってもらえたら。もちろん現在のチームでもそういう様な役割は担ってもらっているとは思いますが、もっともっと前に出て、態度だけではなく発言もプラスしながら、チームをぐいぐいと引っ張っていってもらいたいと思います。

―今シーズン後半に若い選手も出てきました。特に期待をかけている若手、これから入団する選手は別として、現在いる選手で特に期待する若手は、どの選手でしょうか?

和田:チーム状況もあって、最後の数試合は若手にかなりチャンスがあり、数多く試合に出ることが出来ましたが、その4、5人の選手が来年の開幕からそれだけ多い人数が(一軍に)いるとは限らないですし、ありえないと思いますので、まずは誰というよりもその中で競争に勝ち残って、また新しい選手も入ってきますので、そんな選手達と競争をして、勝ち残って初めて先輩のレギュラー選手と対決といいますか、競争していくことになると思います。まだこの選手にポジションを与えてという、そこまでのレベルには達しておりませんので、この秋のキャンプ、春のキャンプ、オープン戦とそのあたりでしっかりと力をつけさせて、然るべく開幕に臨みたいなと思います。

―監督の口からキャンプの話が出ましたが、やはり練習は相当厳しくなるというふうに覚悟しておいてもらったほうがよろしいでしょうか。

和田:そうですね。今年の成績云々ではなく、やることがたくさんある選手がおりますので、これだけやっていれば良いという選手が集まるわけではありませんので、攻走守全てにレベルアップできるように、1日を有効に使っていきたいと思います。

―昨日、ちょうどドラフト会議があり、監督はご自宅でご覧になっておられたようですが、(ドラフト1位指名の)外野手の伊藤隼太選手はどんな印象ですか?

和田:ちょうどテレビで見ていましたが、あれだけ表現するというか、本当に嬉しそうな表情というか、そういうものを見ますと本当にこちらまで嬉しくなるような感じでしたので、とにかく早くプレーを見たいと思いますし、うちの若い選手の中に入っても、十分そういう勝負が出来る選手だと思っております。

―和田監督の目指す理想の監督像みたいなものを教えていただきたいのですが。多くの監督の下で、選手コーチとして仕えられましたが、そのあたりをお聞かせいただけますでしょうか。

和田:現役終わってからも4人の監督さんの下で学ばせていただきました。1人この方、ということではないですが、その都度そのタイミングで、やはりこの監督さんであれば、こういう対応をしてくる。そういうふうな見方をしておりましたので、良いとこ取りではありませんが、その場面にふさわしいような対応ができるように。私もまた(監督は)初めての経験ですので、その上でこれというものが出来ていけばいいなとは思っております。ただ私はこういう野球をするということは、しっかりと選手に伝えて、それに則って、プレーしてもらいたいなと思っています。

―繰り返しになるかもしれないですが、和田野球というのはどんな野球でしょうか?

和田:私の野球をゴリ押しするというよりも、やっぱり広い甲子園球場と、今年から統一球が導入されたりといろんなことがあります。いろんな引き出しを持ちまして、現状というか、そのいろんな状態にあったときの対応をできるような、柔軟な姿勢をもっていきたいと思っております。

―さあそれでは次に、目標について伺います。オーナーは1年目から優勝という話をされました。監督はまず最初のシーズンをどんな目標で。

和田:先程も言いましたが、現有戦力はしっかりと把握しておりますので、今の戦力にいろんな意味がありますが、本当に少し、ほんの少しのスパイスを加えると、十分優勝争いが出来ると思っておりますので、そのスパイスが何になるか。そこは私の考えもありますし、会社のフロントの皆さんと相談させて頂きながら、進めていきたいと思います。

―では全国のタイガースファン、そしてプロ野球ファンが、タイガースの新監督に期待をしています。ファンの皆さんに一言お願いいたします。

和田:今年を含めて6年間、本当に親身になって応援して頂いたにもかかわらず、十分な成績を残してこられませんでした。先程も言いましたように1年、2年、3年目に優勝争い、ということではなく、私も来年勝負をかけるぐらいのつもりでやっていきたいと思っております。ファンの皆さんもそれぞれに監督となってもらい、いろんな意見をお持ちだと思いますし、それを素直にぶつけて頂いていることもあると思います。実はうちの娘が甲子園のスタンドで1年間売り子をさせていただいておりまして、そこでの叱咤激励というか罵声も含めまして、いろんなことを聞いておりました。そして私がその立場になるということで、お手柔らかにということではなく、より一層悪いものは悪いと言っていただきたいし、我々もそういった方々、応援していただいているファンの皆さんを絶対喜ばしたい、喜ばすという気持ちで、これからすぐにでも野球に取り組んでいきたいと思いますので、是非また応援していただきたいと思いますし、来年の今ごろは皆さんで喜べるような、そんな年にしたいと思います。

―どうもありがとうございました。