- 狩野恵輔選手が現役引退を発表
- 2017年09月18日 更新
18日(月・祝)、狩野恵輔選手が球団事務所にて会見を行い、今季限りでの引退を発表いたしました。
狩野恵輔選手コメント(会見より)
私、狩野恵輔は今シーズンをもって引退を決意した事をご報告致します。
―引退を表明した後の今の気持ちをお聞かせください。
今はすっきりしています。決める前まではいろいろ葛藤がありましたけれども、決めてからは本当に思い切って野球をできていると思います。
―引退を決めた一番の要因は?
自分の実力というか、そういうのがだいぶ落ちてきたなと感じたので。その時にそろそろ引き際かなと思いました。今年のシーズンに入るまでに覚悟を決めて、なるべく1年間一軍の戦力として出来る様にと思ってやったのですけれど、開幕してすぐファームに行きまして、そこから上がらなかったのでその辺でだんだん自分でダメなのかなという気持ちになりました。
―シーズン前の決意というのは自身の中だけでですか、それとも誰かに伝えましたか。
決意は自分の中だけですね。
―実際に「引退」が大きくなってきたのはいつ頃からでしょうか。
7月終わりですね、8月頭というか。その時にもう引退しようかなという気持ちにはなりました。
―その後一軍の出場機会もあったが、その時点では気持ちは固まっていたのですか。
少し固まりつつありましたけれど、そこで出来ればまだ出来るのかなという気持ちもありましたけれど、結果3打席立って凡退。
ヒットも出なかったですし。最後三振した時にもう無理かなという気持ちはありました。
―最初に引退を伝えたのは誰ですか。
最初は自分の嫁ですね。何回かクビになりそうなことがあったので、その中の一つというか今まで通りというか、そんな感じだったと思うのですけど、僕の中では今年の引退という言葉に限って言えば、ほぼ本当の「引退しようかな」ではなくて「引退する」という決意で嫁さんには話しました。嫁さんからは「お疲れ様でした」という言葉をもらいました。
―お子様にはどんな風に伝えましたか。
もうしっかり、あるがままじゃないですけど、実力が無いから辞めるという事は伝えました。子供は「嫌だ」と言っていましたけど、それは仕方ないと。それは自分で決めたことだし、そこは辞めるからという風に説得したというか。
―嫌だというファンの方も多いと思うが、まだ34歳チャンスがまだまだあるのでは。
そうですね、でも自分で出来ないと思った瞬間が来てしまったのでその事に関して言うと、応援して下さったファンには申し訳ないのですけれど、自分の意思を尊重しました。
―金本監督にはいつ伝えましたか。
金本監督には僕がファームに落ちて、その後広島3連戦があったのですけれど、その3連戦が終わった夜に電話しました。監督からは「本当にお疲れさん」と、「また時間があったら飯でも行こうか」と言われました。
―17年間どんなことが思い出に残っていますか。
いろいろありますけど、やはり普段のみんなとの会話だったり、コーチとの会話だったり、そういうのが一番印象に残っていると言うか楽しかったですね。
―プロ初サヨナラ安打を思い浮かべるファンも多いと思いますが、あのシーンについては。
あのシーンが僕の実家にも飾っていますし、本当に印象に残る一打ですけれど、他にも少ないヒットの中で思い出深い一打だったり、キャッチャーの方で思い出深いシーンもあるので、これと言うと難しいですけれど、やはりあのサヨナラは自分の中でも大切な思い出ですね。
―一軍で順調なスタートを切ったが、波乱万丈、山あり谷あり、いろいろな事がありました。
普通の野球選手では経験できない事もいっぱいしてきたので、それは自分の財産であり、誇りでもあると思うので、これからもしっかり胸に刻んでいきたいなと思います。辛い時期が長かったですけど、それを超える楽しい事もいっぱいあったので、僕は本当に幸せな17年間だったと思います。
―一番支えになった事は何ですか。
やはり仲間や家族、僕の周りにいる支えてくれている人に支えられたなと思います。
―精神力で育成選手から這い上がって、狩野選手らしさが出たように思いましたが。
野球が好きで、野球しか出来なかったので、それが出来たというか、そういう風に復活と言われますけれど、自分の中で本当に大好きな野球をただやってきただけという感じですね。もちろんケガをしている時は野球が嫌と言うか、しんどいなと思いましたけれど、好きな野球ですからね、我慢できました。
―狩野選手にとって甲子園球場とは?
世界一ですね。その言葉以外ないですね。
―ファンの声援は?
本当にそれで僕はすごく助けられましたし、ファンの方に本当に助けられたと自分で感じていますし。もちろんチームメイトもそうですけど、いろんな先輩がいますけど、阪神でこれだけ愛された人間はいないんじゃないかと。
―チームの中では選手会長も務めました。
いや、僕が支えられました。支えられてこういう風に17年間出来たのは僕の誇りです。
―今どんなシーンが頭の中に浮かんでいますか。
やはりみんなで喜んだのが一番印象的ですね。
―昨年は代打の神様としてファンの声援も大きかったですが。
そうですね、それで打席に立つのがすごく楽しかったです。僕はヤジも僕に対する応援だと思って受けていたので、本当に全部後押しされました。
―今後は?
まだ決意したばかりなので、まだ何も考えてないですけど、これから家族と一緒に考えたいと思います。改めて家族には「本当にありがとう」という一言です。今度は子供たちの夢をサポートしたいと思います。
―ファンの方へメッセージを
17年間、そんなに成績を残した選手ではないですけど、本当に最後の最後まで応援頂いてありがとうございました。