理想の自分を描きながら<前編>
今からもう、4年前のことだ。当時まだ19歳だった背番号35は、プロ2年目にして順調すぎる道を歩んでいた。2018年5月20日のナゴヤドームで、プロ初先発。投げ合った相手は、あの平成の怪物・松坂大輔だった。その日はプロ初勝利とはならなかったが、以降も先発マウンドを任されると、同年は22試合(内14試合で先発)を投げ、6つの白星をマーク。代わりに10個の黒星を喫したものの、プロ2年目、19歳という年齢を考えれば、これからのキャリアに向けて大きな第一歩であったと言って良いだろう。
「2年目に一軍で多くのマウンドを経験させてもらって、3年目はしっかり一軍に定着して、ローテーションを守れる投手になりたいという風に考えていました。ただ、その3年目に肘の調子を悪くしてしまって…手術前の2020年ごろは身体もメンタルも苦しかったですね」
大きな飛躍を夢見たプロ3年目の2019年、5月の右肘の違和感を発症し、その年は一軍登板わずか3試合に終わった。翌2020年に右肘内側側副靱帯再建術および右肘関節鏡視下滑膜切除術を受けることとなり、実戦復帰をしたのが今年のことである。長く辛いリハビリの期間を過ごしていたのは、知っての通りだ。
投げられない日々。ただ、本人はひたすらに前向きに、またマウンドに戻るときのことだけを考えていた。
理想の自分を描きながらショートver<前編>終了。
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