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ロード後の甲子園初戦を制する
9回、藤川が一死一、二塁のピンチを招いたものの、いずれも代打の前田智、松山を打ち取り、ゲームセット。いろいろあったが、終わってみれば3対0の完封で、長期ロード後の甲子園初戦をモノにした。
「ロード中は苦労しましたけど、甲子園で恥ずかしい試合はできないので」と和田監督。藤川については、「ランナーは出したけど、ランナーを出してからが球児の真骨頂」と、守護神への信頼は揺るぎない様子だった。
初回、上本の内野安打と相手エラーでもらったチャンスに、鳥谷がきっちり右前へ運んで先制。その後は広島先発・バリントンをとらえきれず、なかなか追加点を奪えなかったが、6回、珍しい形で2点目が入る。
先頭のブラゼルが中前打で出塁（代走・坂）すると、続く平野がヒットエンドランを決め、無死一、三塁。藤井の投ゴロでホームへ突っ込んだ坂は三本間に挟まれアウトになるも、その間に走者が進んで、一死二、三塁とチャンスは続いた。
ここで打席に入った能見に、スクイズのサインが出る。「プロに入って初めて出た。体が固まるものですね（苦笑）」。試合後、そう振り返った能見は外角高めのボールにバットを出すも、空振り。捕手・倉が後ろへボールをそらす間に、平野がホームを駆け抜け、ホームスチールという形で阪神に貴重な追加点が入った。広島・野村監督は能見のバットに当たったファウルではないかと抗議したが、判定は変わらなかった。
この2点目以上に価値があったのは、8回、代打で登場した狩野の2年ぶりのホームランだ。能見も「狩野の（本塁打）が一番大きかった。2点（リード）はワンチャンスなので」と振り返った一発。この3点目で、阪神の勝利はほぼ確定した。
「ここまで不甲斐ない戦いが続いているので、これから全部勝つつもりでやっていきたい」
和田監督は試合後の会見をそう締めくくった。
