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石川KOもあと一押しが出来ず

鮮やかな速攻も14安打12残塁と今季を象徴する拙い攻めが祟って、阪神が東京ヤクルトの逆転を許した。

前夜大勝の勢いを持続させたい阪神は、初回ヤクルト石川の立ち上がりを攻めて上本・大和の連打でチャンスを作ると、鳥谷がライト線二塁打でまず2点。新井良もヒットで繋ぎ、マートン内野ゴロの間に走者を迎え入れて計3点を先取する。先制打を放った鳥谷は、「いきなりのチャンスだったので、何とか走者を還したいと思っていた」と話した。

援護をもらった阪神先発・岩田だが、2回裏二死2・3塁から故障明け初スタメンの相川に中前適時打を許して2点を返される。

追い上げられた阪神は3回表鳥谷・新井良・野原将それぞれ2本目のヒットで一死満塁の絶好機を迎えるが、前夜のヒーロー伊藤隼と藤井彰が返せない。しかし、守りでは4回裏無死2塁で捕手・藤井彰が牽制で走者を刺すプレーもあって岩田をもり立てた。

猛虎打線は石川に13安打を浴びせて6回表に二死満塁としてKOするが、ここでも新井良がリリーフ押本に抑えられて『あと一押し』がどうしても出来なかった。

粘り強く投げていた岩田だが、7回裏二死2塁から又も相川にライト前タイムリーヒットを許して遂に同点にされてしまう。続く福地にも左前安打を打たれるが、2塁から思い切ってホームを狙った代走・野口をマートンからの返球で間一髪刺した。

それでも試合の流れは東京ヤクルトに傾き、8回も続投した岩田は一死2塁から本塁打王のタイトルに燃えるバレンティンに外角球を右へ運ばれ、ライトへの30号決勝2ランとなる。「自分に力がなかったということです」。…岩田は7回1/3(116球)を投げて12安打6失点(自責5)。悔しい14敗目を喫した。

阪神は、このあとショート鳥谷の悪送球もあって、さらに1失点。9回表をヤクルト守護神バーネットに抑えられ6対3で敗れたが、9回先頭で関東ラストゲームとなった金本が代打で登場(結果は四球)。試合後もファンの物凄い声援に応えて、スタンドの猛虎党に一礼して神宮をあとにしている。

岩田続投が裏目に出たカタチの和田監督だが、「何を言っても言い訳になるが、アソコは岩田に懸けた!ということ。(スタンドからの厳しい声は)しっかりと受け止めたい」と話し、非常に険しい表情でバスに乗り込んで行った。