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打線奮起も投手陣が粘れず、カード負け越し
最後の最後まであきらめなかった。4点を追う9回の攻撃。先頭の江越が一塁へのヘッドスライディングで気迫の内野安打をもぎ取ると、福留がきょう3安打目となる右前打、五番に入った今成が死球でつなぎ、西岡のタイムリーでまず1点。プロ初スタメンの北條の内野安打で2点目。二死後、代打・狩野の三遊間への当たりが内野安打となり、3点目。同点まであと1点とし、打席に高山が入った。
試合開始から4時間半になろうかというのに、席を立たずに応援を続けたファンは、ルーキーのバットに大いに期待したが、広島の守護神・中崎の前に見逃し三振に倒れ、ゲームセット。
「先輩方がつないで、つないでというところだった。最後、僕があと1本出せなかったのが悔しいです」
高山はそういって唇をかんだが、3回には一時逆転の口火を切る右前打を放っており、これで8試合連続安打。甲子園のファンに存在感を見せつけた。
あと1点、あと1本届かなかったが、最後の粘りが金本阪神らしさだ。7回の攻撃前、円陣の中心で金本監督がゲキを飛ばしていた。
「このまま終わったら、去年と一緒や。何とかせい！」
その回は一死二、三塁のチャンスを生かせなかったが、9回に意地を見せ、昨年までとの違いを証明してみせた。
4回まではこれ以上ない展開だった。先発・藤川が初回に2点を失うも、3回に打線が爆発。広島先発・福井に6安打を集中して4点を奪い、逆転した。打順を大幅に入れ替えた打線がつながり、初めて三番に入った江越、今季初スタメンの今成、プロ初スタメンの北條にタイムリーが出て、球場は最高の雰囲気だったのだが…。
5回、勝ち投手の権利目前の藤川が、一死から5連打を浴びて4失点。代わった高橋も流れを止められず、さらに1点を献上した。
それでもまだ3点差。攻撃は5イニング残っており、再逆転が期待されたが、続投した福井に6回まで抑えられると、7、8回はリリーフ陣を打ち崩せず、結果的に福井に白星を献上。逆に6回、3番手の高宮が1点を追加された。
「申し訳ないとしか言いようがない。点を取ってくれていたので、粘り強くと思っていたんですけど…」
藤川の口からは反省の言葉しか出てこなかった。
5カード目にして初のカード負け越しとなったが、シーズンは始まったばかり。火曜日から甲子園にDeNAを迎えて、仕切り直しだ。
