FlashPlayerのバージョンが低いか、インストールされていません。
熊谷の神走塁で4時間超えの熱戦を制す
オリックスの先発は難攻不落の好投手、山本だった。球威、キレ、制球力どれをとっても球界トップクラスの右腕の前に1回り目は無安打に抑えられた。それでも中盤から捉え始めた。3回に島田、中野が連打を放つ。4回に糸原が放った2塁打も含め左打者が逆方向へ弾き返しチャンスを作った。5回にも島田と中野が再び連打、今度はセンター方向へ運んだ。ただしこれからの5安打は全て2死からのもの。ギアと集中力を上げた山本を攻略までは出来なかった。
援護がない中でも先発の伊藤将は粘りに粘った。イニング数を上回る安打を浴びたがさすがのゲームメイク能力で決定打を許さない。6回の先頭打者を打ち取り右打者が続く場面までマウンドを守り2失点。内容のある99球で先発の役割を果たした。
「なんとか最少失点でリリーフ陣にバトンを渡したかったのですが、粘り切れずに2点目を与えてしまったことが悔しいです。ただ、変化球をうまく使いながら、リズムよく丁寧に投げることができた点については良かったと思うので、また次回に活かしていければと思います」
ここからベンチは小刻みな継投に入った。打者の左右に応じて加治屋、渡邉、石井を投入しオリックス打線を封じ込める。そんな投手陣の力投に打線も応えた。
2点を追う8回、2死から近本が内野安打で出塁し、佐藤輝の一打はライト前に落ちグラブを弾く。打球が外野の芝生を転がる間に近本はホームを駆け抜け、佐藤輝は3塁へ。適時3塁打となり1点差に迫った。なおも2死3塁で打席には大山。初球からフォークを続けた配球が示すように相手バッテリーに多大なプレッシャーがかかっており、最後は大山の"圧"が勝負を決めた。パスボールにより佐藤輝が生還、ついに試合を振り出しに戻した。ワンチャンスをものにして同点に追いつきアルカンタラ、岩貞の力投で延長戦へ持ち込んだ。
2-2のまま迎えた11回、先頭の佐藤輝が安打を放つと熊谷が代走に起用される。1死後にスタートを切った熊谷は送球がヘルメットに当たり逸れる間に3塁到達だけでなく一気に生還を狙う。快速を飛ばした代走の切り札は送球よりも早くホームへ頭から滑り込んだ。
「心臓バクバクしてました。でも(佐藤)テルが必死に出てくれたので何とか仕事しようとだけ考えていたので走れて良かったかなと思います。(送球が)頭に当たったのでボールがどこに行ったかわからなかったんですけど、3塁コーチの藤本コーチが腕を回していたのでホームに突っ込むだけだなと思いながら走っていました」
試合開始から4時間近くが経過してようやく勝ち越しに成功。最後は守護神・岩崎が締めて4時間19分の熱戦に終止符を打った。綺麗な適時打は1本もなく、得点は全て執念と機動力で白星をもぎ取った。明日の試合も泥臭く愚直に勝利を追い求める。
