- 2026.02.05
- 一からのスタート
待ちに待った球春到来。昨年の「凡事徹底」「姿勢」「没頭」に加え、「黙って積む」をキャンプのテーマに、周囲の声に惑わされず黙々と鍛錬を積む25日間が始まった。
守りに入らず攻める
キャンプインを前に、新外国人4選手が来日し、入団会見を行った。

ダウリ・モレッタ投手とキャム・ディベイニー内野手は、1月28日(水)に西宮市の球団事務所で会見。逆方向にも曲がるスライダーが武器のモレッタは、同じドミニカ共和国出身のラファエル・ドリス投手から「すべて教えてもらった」といい、「チームに貢献して優勝することが目標」と力を込めた。マイナー通算85本塁打のパワーを誇るディベイニーは、ショートのレギュラー候補。言語学習アプリで日本語を学んでいることを明かした。

31日(土)には沖縄県のチーム宿舎で、身長203㎝右腕のカーソン・ラグズデール投手と191㎝左腕のイーストン・ルーカス投手が会見した。「毎日を楽しんで日本でいい経験をして、勝利に貢献したい」というラグズデールは、早速たこ焼きを食べたと笑顔。ルーカスは、「真っすぐ、スイーパー、チェンジアップを自信を持って投げられる」と胸を張った。共に先発投手としての期待がかかる。

31日、前日に契約更改を行った佐藤輝明内野手が、チーム宿舎で会見に臨んだ。

「明日からタイガースの一員として、しっかり頑張っていきたい」と清々しい表情。昨季は40本塁打102打点で打撃2冠、ベストナインとゴールデングラブ賞を獲得し、MVPに輝いたが、「また新しい一年という気持ちで、守りに入ることなく、打撃も守備も走塁も攻めて、もっといいプレーをしたい」とさらなる進化を見据えた。
29日(木)から宜野座で合同自主トレがスタートし、31日には監督、コーチ、全選手が沖縄入り。宿舎で全体ミーティングが行われ、キャンプインへ向け心を一つにした。

連覇という言葉は使わない
2月1日(日)、沖縄県宜野座村で春季キャンプがスタート。選手たちは「キャンプイン虎ウォーク」で、ファンからの大歓声の中メイングラウンドに入場した。歓迎セレモニーでは、藤川球児監督が「連覇という言葉は使わないと選手たちと約束した。新たにチームを作り上げ、すばらしい最後の一日を迎えようじゃないかと。新しい一年が今日からスタートする」とあいさつ。一からの出発を誓った。うるま市の具志川では、若手を中心に岩崎、梅野、木浪らの実績組がキャンプイン。平田ファーム監督はセレモニーで、「後ろにいる選手たちの熱気が、僕の背中にビンビン伝わってくる。期待してます」と発破をかけた。

1日目を終え、今季からキャプテンを務める坂本誠志郎捕手は、「みんなの顔を見てユニフォームを着て、気持ちがより一層引き締まった。いい一日だった」と充実感たっぷり。WBC日本代表の合宿参加でキャンプは第3クール途中で離れるため、「新しいピッチャーもいるし内野手との連係も選手が変わったりするので、いる間にしっかり確認したい」と話し、「日本もだがタイガースも背負って野球をすることになるので、しっかりパフォーマンスを発揮できるように」とWBCに向け意気込んだ。「世界でも一番、セ・リーグでも一番。今年は全部一番になって終われるように」と頂点を目指す。
真っすぐのみ80球
2日(月)、前日に「具志川が気になる」と話していた藤川監督は、具志川のブルペンを視察。初めてブルペンに入った新外国人モレッタや、ドラフト4位の高校生ルーキー早瀬朔投手、同5位の能登嵩都投手らの投球を見守った。
宜野座のブルペンでは、村上頌樹投手が初投球。日本ハムから移籍の伏見寅威捕手相手に真っすぐのみ80球を投げ込み、「真っすぐの強さを求めながら投げた。しっかり投げられた」と手応えを口に。「今は7、8割の力なので徐々に上げて、フォームもいろいろ試しながらやっていきたい」と語り、昨年務めた開幕投手については「選んでもらえたら光栄だが、一年間ローテーションを守ることが大事なのでそこに向けてしっかりやっていきたい」と表情を引き締めた。

昨季は最多勝、最高勝率、最多奪三振の投手3冠に輝いた右腕が、今季狙うのは沢村賞。新選手会長としての重責も担い、チームを牽引する。
ルーキーがチーム初ヒット
節分の3日(火)、宜野座では連日ランチ特打を行うディベイニーと、この日初めてブルペン入りしたラグズデール&ルーカスが豆まき。日本の文化を体験し、笑顔がこぼれた。第1クール3日目、球団OBの赤星憲広氏と糸井嘉男SAが、臨時コーチとして宜野座キャンプに合流した。糸井SAは、ピンクの液体が入ったアクアバットを使って佐藤輝らを指導。赤星氏から走塁技術を教わった中野拓夢内野手は、特に脱力について学んだといい、「試合でスチールを決めたいと思うとどうしても体に力が入ってしまい、上体が起き上がってスピードに乗らない。上半身は抜いて下半身にはしっかり力を入れることがスタートでは大事だと教えていただいた」とうなずいた。昨季は19盗塁をマーク。「数多く決めることも大事だが、より緊張感のある場面で走りながら、なおかつ成功率を上げることにこだわりたい」と、進化を目指す。

秦雅夫オーナーの訓示で始まった第1クール最終日の4日(水)、今キャンプ初のシートバッティングが行われた。

チーム初ヒットを放ったのは、ルーキーで唯一宜野座キャンプに参加している谷端将伍内野手(ドラフト2位)。第1打席で門別の初球をレフト前に運び、初実戦で存在感を示した。現役ドラフトでヤクルトから加入した濱田太貴外野手も、アピールに成功。第3打席で今朝丸からライトスタンドへホームランを放ち、第1打席でも椎葉からライトオーバーの三塁打を打ってパワーを見せつけた。

具志川では、ドラフト1位ルーキー立石正広内野手が屋外キャッチボールを再開した。1月の新人合同自主トレで、右足肉離れを発症。本隊を離れ別メニュー調整中だが、2日には屋外ノックを再開し、三塁のポジションで軽快な動きを見せた。期待の新人が、復帰へ向け順調に歩みを進めている。
チャンピオンフラッグがはためく球場で、多くのファンに見守られながらスタートしたキャンプは、第1クールが無事終了。初の対外試合となる日本ハムとの練習試合も予定される第2クールへ、没頭の日々は始まったばかりだ。


















