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虎魂

プロ5年目のシーズンで得た反省と手応え<前編>
立ち上がりの失点

「シーズンの最後の方、神宮で2試合続けてKOをくらったんのですが、その2つが最も印象に残っています」

2018シーズンで最も印象に残っている試合を尋ねたときの岩貞祐太の返答である。9月19日が4対9、10月7日は0対6—。ともに、ヤクルト相手に自身が先発しながらも痛打を浴びて途中降板を強いられたゲームだ。

「あそこまで打たれるとは自分でも思っていなかったですし、物足りなさをもの凄く感じた試合だった」

この試合は1回表に阪神が糸井嘉男のタイムリーで先制し、1対0とリードした状態で初回のマウンドへ上がった。大事な立ち上がり。ヤクルトの先頭打者である坂口智隆をエラーで出塁を許すと、2番・青木宣親に左中間を破るタイムリー2ベースを打たれてすぐに同点に追いつかれた。続く3番の山田哲人には左中間スタンドへ2ランホームランを被弾。あっという間に試合をひっくり返された。

「打たれた球に関しては迷いがあったなというのは覚えています。このボールでいいのか、決めかねるというか、決めないまま試合の流れに乗せられて投げてしまった」

続く4番・バレンティンはファーストゴロに打ち取って1アウト。しかし5番・雄平にショートへの内野安打を許すと、6番・大引啓次にはレフト前へヒットを許して1死一二塁。ここで7番の西浦直亨に左中間スタンドへ3ランホームランを浴び、1対6とリードを広げられる。後続は打ち取ったがこの回、打者9人に対して33球を費やしていた。2回、3回はいずれも三者凡退で抑えるも、4回裏にふたたび捕まり、このイニングを投げ切ったところで降板。4回を投げて7失点(自責6)というピッチング内容だった。

「自分の中の引き出しというか、こういうケースはこうやっていこうというものが全く見つけられなかった、考えがまとまらなかった試合でしたね」

印象に残っているもう一試合の10月7日ヤクルト戦も、初回に3点、2回に1点を許し、2イニングで4失点している。岩貞はこの試合についてこのように語ってくれた。

「立ち上がりはどうしてもゲームを作りたいという思いで、身体とボールと気持ちが一緒になっていないのを感じています。来年に向けて大きな課題が見つかったという感じです。逆に言えばそれを乗り越えれば、すごい自信になるなというのがあるので、練習法もまた新しいものを見つけてやっていきたいと思います」

悔しさの中で来年への課題をはっきりと教えてくれた試合となったのだった。

プロ5年目のシーズンで得た反省と手応えショートver<前編>終了。
<後編>は12/21(金)配信です!

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