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節目の10年“歴史”への挑戦<前編>

3月29日金曜日―。

2019年シーズンがついに開幕した。京セラドーム大阪で行われたオープニングゲームのまっさらなマウンドに上がったのは背番号54、ランディ・メッセンジャー。開幕戦の先発投手を任されるのは、実に自身6度目だ。

「自分にたとえ勝ちがつかなくてもチームが勝てばいい」

もはや慣れたマウンド。気負うこともなければ、欲張ることもなかった。冷静に望んだマウンドで、7回1失点と好投。白星こそつかなかったものの、見事にチームを勝利へと導いた。今年も頼れる“柱”がここにいる。

来日10年目。今年は彼にとって節目の年である。登録的にも今季から外国人枠を外れ、日本人扱いとなる。

「正直、最初は数年間できればいいかなと思っていたぐらいでした。でも、いまこうやって“10年”という年を迎えてみて、あらためて長くやってきたんだなあと実感しているところです」

いまでは信じられないが、入団当初はリリーフだったというのも懐かしい。アメリカではメジャー通算173試合に登板。ただ、一度も先発経験はなく、すべてリリーフとしてマウンドに上がっていた。そのため2010年の来日当初も、その前年まで同じ54の背番号をつけていたジェフ・ウィリアムス同様、リリーフ陣の要となる役割を期待されていたのだった。
ただ、通用しなかった。そして、この時期の挫折がメッセンジャーを変えた。生きていくために、カーブやフォークなどの変化球を巧みに操りながら打者を打ち取るピッチングスタイルへと変貌を遂げ、先発投手として起用されるようになったのだ。

日本で昨年までに、積み重ねてきた白星の数は95。大台である100勝が見えてきた。100勝という数字は、大台であるとともに、球団のレジェンドであるジーン・バッキーに並ぶ数字である。偉大なる“先輩”に肩を並べることについて、謙遜した表情でこう話してくれた。

「やっぱり100勝というのはすごいこと。近づくにつれ、実感することは増えるんだろうなとは思いますけど、1試合1試合必死でやっていく中で、チームメイトたちに助けてもらいながら、その結果100勝という記録が達成できればいいなと思っています」

頼れるエースが、球団の歴史にも名を残すレジェンドとなるまであと少し。その時が楽しみでならない。

節目の10年“歴史”への挑戦ショートver<前編>終了。

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