信頼される存在になるために<後編>
シーズンは早くも折り返しを迎え、暑さとともに勝負の夏がやってくる。過去のシーズンを参考に振り返れば、各チームの投手陣に疲れがドッと出てくる時期だ。それはすなわち、各チームの野手たちの能力が“試される時期”でもあると言い換えることもできるだろう。
背番号3にはこの“試される時期”に活躍してきた実績がある。記憶に新しい昨年のこと、開幕から苦しんでいた大山は、本格的な夏を迎えるころから調子を上げた。8月を月間打率.343という数字で乗り切ると、9月は打率.415、9本塁打と大爆発。いまのポジションを任せたいと思わせるだけの、可能性を示した期間だった。
「(あの時は)いままでやってきたものがうまくはまったというのもありましたし、その中で新しく見つけたものもありました。一番は気持ちですね。ひとつのことをしっかり続けることの大切さにあらためて気付かされました。去年まで、悪かったときはコロコロと変えてしまっていた部分があったのですが、あのときはひとつの土台となっている部分をしっかりと続けることができていた。それがああいう結果につながったと思っています」
自分を信じ、貫き、我慢することによって突破口を開いた。どんなときでもブレない、芯の強さがいまの大山にはある。
ただ、頑なにあのときをただ追い続けているわけではない。あのときはあのとき、だ。
「あのまま打ち続けていたのであれば、変わらずにいたかもしれないですけど、10月は結果が残せなかったので、変えなくてはいけないなという部分もありました。一からではないですけど、よかったときの感触を残しつつ、また新しいものを見つけるという風にオフから取り組んでやってきました。まだまだ僕には実績がないので、レベルアップするだけだと思っています」
ひとときの良い感触を忘れられず、自分の考えに固執してこの世界を去っていく選手は少なくない。
信頼される存在になるためにショートver<後編>終了。
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