敵地で広島に勝ち越し、3位に浮上した金本阪神。「勝ち越しだけは、常にカードの目標だから良かった」と指揮官の表情も明るい。いい流れを作って甲子園に戻り今週は巨人、DeNAと6連戦。今季、巨人戦は2勝1敗、DeNA戦は4勝1敗といずれも勝ち越している。貯金を増やして順位を上げたいところだ。
26日からの巨人3連戦は「伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES~」第1ラウンドとして行われ、選手は1970年代に人気を博した「輝流ライン」の入った限定ユニフォームを着用する。昨季は巨人に東京ドームで2勝11敗と大きく負け越したが、甲子園では7勝5敗と勝ち越している。本拠地での対戦なら有利だろう。
何より今の阪神は攻撃面で明るい材料がそろう。まずは鳥谷だ。開幕から波に乗れていなかったが、先週末の広島との3連戦では12打数5安打、1本塁打、6打点と一気に調子を上げてきた。さらに、当たりが止まっていた髙山も14打数7安打、1本塁打、3打点と完全に復調した。また、左太もも裏を痛めていた福留がスタメン復帰する可能性もある。巨人は高木、田口、菅野の3人が先発予定だが、今の打線の状態なら打ち崩す場面があってもいい。
一方の巨人打線は対照的だ。週末のDeNA3連戦では、合計でわずかに4得点。それでも24日には、3―0で勝利を収めた。「この何試合かなかなかホームが遠かった。先に点が取れたことで少し、雰囲気が変わってきたかな」と、高橋監督は伝統の一戦を前に手応えを感じている。
それだけに投手陣も油断はできない。初戦を託された藤浪は昨季、甲子園の巨人戦は4試合で2勝0敗。その2勝はいずれも完封勝利と好相性だ。19日のヤクルト戦(甲子園)では5回7安打4失点、5四死球と大乱調だったが「ストレートの指の掛かりは悪くないので、コントロールできるようにやってきた」と修正を図った。さらに巨人打線についても「チームとして何かを徹底してくるイメージがある。相手の作戦にはまらないようにしたい」と警戒を口にした。いい形で第2戦の岩田、第3戦のメッセンジャーへとつなぎたい。
週末の29日からは対DeNAとの3連戦。ここは機動力で揺さぶりたい。先発が予想される今永、井納、山口の3枚は決して簡単な相手ではない。しかし、24日の巨人戦で4は失策を犯し、ラミレス監督が「まさかこのようなプレーが起こるとは…」と嘆いたように、大事なところで守備のミスが目立っている。それだけに積極的な走塁をどんどん仕掛けたい。走者を出せば、攻略の糸口は見えてくる。