広島東洋カープ
5.20(FRI)21(SAT)22(SUN)
阪神甲子園球場
19日の中日戦で劇的なサヨナラ勝ちを収め、4カードぶりの勝ち越しを決めた金本阪神。9回1死満塁で原口がカウント3―1から思い切って振っての中越え適時打。最高の形で貯金1とした。試合後は金本監督も「(カウントが)3―1になった時点で押し出しかなと。まさかのセンターオーバーでね。本当にいい形で決めてくれましたね。僕だったら、気が弱いから打てないですよ」と笑みが絶えなかった。この勢いのまま、甲子園で広島との3連戦を戦いたい。指揮官が常に目標としているカード勝ち越しへのカギは初戦を取れるかだろう。その初戦で、広島は黒田が復帰する。昨季から、この右腕が先発した試合で阪神は0勝7敗1分と勝ち星がない。
今季は4月23日にマツダスタジアムで対戦して、7回無失点に抑えられた。金本監督は「(黒田の)調子が良かったから、直球に差し込まれ、動く球に翻弄された。何かを変えないと」と対策を練っている。
対する黒田はこれが復帰登板だけにつけいる隙もありそうだ。7日のDeNA戦(横浜)に先発して3回4失点で降板。翌8日には右肩痛で登録を抹消されていたが、20日のカード初戦に照準を合わせてきた。「あんまり間をあけるより早くマウンドに上がりたい気持ち。痛みはシーズン当初からある。100%を求めていたらシーズンが終わってしまうから」と、日米通算200勝にあと3勝と迫っている右腕は力を込めた。
そんな天敵を攻略のカギは左打者が握っていそうだ。今季は1試合しか対戦がないが、唯一、マルチ安打を記録したのが髙山だった。また、昨季の成績を見れば鳥谷が19打数7安打、打率3割6分8厘、福留が18打数6安打、打率3割3分3厘と目立っている。髙山が出塁して、中軸の鳥谷、福留が返すという形ができれば理想的だろう。さらに、今成も11打数4安打、打率3割6分4厘の数字を残しており、スタメン抜てきも十分にありそうだ。
一方の投手陣は、初戦に岩貞が先発する。14日のDeNA戦(横浜)では今季最短の4回3失点でKOされた。それでも、防御率1.19は阪神先発ローテの中で断トツのトップで安定感は抜群だ。今季、広島戦は2試合で0勝1敗だが、防御率1.88だから相性が悪いわけではない。さらに今回はホームのアドバンテージもある。岩貞自身、今季は甲子園で2勝0敗と負けがなく、防御率0.87と甲子園ではよりパフォーマンスが上がっている。いい形で2戦目以降につなげたい。
5月に入り、波に乗れそうで乗れない戦いが続いていたが、サヨナラ勝ちでようやく流れが変わりそうだ。ここから貯金を増やしていくためにもまずは、初戦の黒田を攻略したい。19日の中日戦で適時打を放った鳥谷、福留、さらに2安打をマークした髙山と、この左打者3人がどんなバッティングをするかにも注目だ。