もう、居場所は譲らない<前編>
阪神タイガースが誇る武器のひとつとして、屈強なリリーフ陣の存在が挙げられる。能見篤史、藤川球児といった経験豊富なベテランがいれば、ジョンソン、ドリスといった助っ人勢も安定感を示してくれている。試合終盤の“粘り強さ”は、チームの強みのひとつと言ってよいだろう。
そんなリリーフ陣の中でも、特に奮闘が目立つのがこの男・島本浩也である。昨季はわずか1試合の登板にとどまっていた左腕は、今季は早くも30試合以上に登板。自己最多登板数をあっさり更新し、疲れ知らずのタフネスぶりを披露している。
「去年1試合しか登板していないですし、一昨年も一軍では投げることができませんでした。だから、今年ダメだったらユニフォームを脱がなきゃいけないなという気持ちで臨みました」
ラストチャンス——。
そのつもりで望んだシーズンで、見事にブルペンの一員の座を勝ち取った。もちろん、まだシーズンは真っ只中であり、満足することはないが、その表情はどこか自信に満ち溢れている。
いまから9年前の2010年、育成ドラフト2位で指名され阪神に入団。育成選手として4年の年月を過ごし、14年オフに支配下登録。翌15年に開幕一軍の座を勝ち取ると、同年18試合を投げ、16年には23試合に登板。着々とステップを上がってきた“はず”だった。
「16年に23試合に投げさせてもらったときは、ある程度自分の中でも手応えというか…」
もう、居場所は譲らないショートver<前編>終了。
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