常に理想を追い求めて<後編>
「まだまだ多くのことが足りない」。
チームとして実に14年もの間届いていない“優勝”というふた文字について聞くと、背番号8は強く、そう口にした。所属7年間で3度、2位にまでは勝ち上がったものの、頂点にはたどり着けていいのが現実である。“もう少し”と口にするのは簡単だが、その言葉に逃げはしない。まだまだだと、あえて言う。
「何が足りないかを探すんだったら、全部が足りないから“そこに”力が及ばないっていうほうがいい。だから全部補っていかなきゃいけないと思いますよ。ただ、いきなり全部補えるかって言ったら全部は補えない。だから、先を見据えて少しずつやるしかないってことだと思います」
急がば回れ、だ。近道などない。目指すべき道に向かって、日々自分を磨くだけだ。
いまなお、常にうまくなりたいと思いながらプレーを続けている。野球というスポーツの求道者だ。
自分も常に追究しているからこそ、後輩たちへのアドバイスには細心の注意を図る。来るものは拒まないというのが、彼の流儀だ。ベテランとして、進むべき道を背中で示しながらも、求められたらアドバイスをする。その際、必ず伝える言葉があるという。
常に理想を追い求めてショートver<後編>終了。
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