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虎魂

2年目、見せたい姿<前編>

『センターラインを固めること』。野球界において、チーム強化を図る際にしばしば用いられる表現だ。近年のタイガースにおいても、“若返り”とともに目指せねばならないチームの課題のひとつであったかのように思うが、昨年、そこに大きな光が一筋差し込んできた。

俊足・巧打・堅守。走れて、打てて、守れる、走攻守の三拍子が揃った男・近本光司。彼の存在が、チームの未来をグッと照らしてくれた。

「手応えはあまりないんですけど、シーズンを通して大きな怪我をすることなく過ごせたのが、自分としてはよかったと思っています。成績とかよりは、身体の面で戦えたというのが一番良かったかなと」

ルーキーイヤーの昨年、開幕戦で木浪聖也とともに開幕スタメンデビューを飾ると、上位打線の一角を定位置としながら、142試合に出場。積み重ねた安打の数は、あの長嶋茂雄を超えるセ・リーグ新人新記録となる159本を記録した。塁に出ては、自慢の足を武器に積極果敢に相手バッテリーに挑み、36盗塁を記録して盗塁王のタイトルまで獲得。存在感をいかんなく発揮させながら試合に出続け、チームの新たな顔となった。

あっという間の1年。多くのことを経験できた1年だったと、近本は言う。

「試合に出続けることの難しさを知りました。1日1日がチームにとっては大事だし、なにより自分にとっても生きるか死ぬかを争う毎日のはずなんですけど、毎日そのような環境の中にいるとどうしても“慣れ”みたいなものが出てしまいそうになる。毎日自分を奮い立たせるというのが大変でした」

シーズン143試合。ほぼ毎日のように試合が続いていくプロ野球の世界。短期間にグッと集中して臨む形式の多いアマチュアに比べると、心の持って行き方や日々の“切り替え”を困難に思う選手は少なくない。近本もそうだった。その上で、早い段階で気づくことができたというのも昨年得た経験のひとつだった。

「難しい環境の中だからこそ…」

2年目、見せたい姿ショートver<前編>終了。

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