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虎魂

声援を浴びる日を思いながら

ついに、この日がやってきた。

本来予定されていた日から3ヶ月―。2020年のプロ野球が、いよいよ幕を開ける。

いまだに、世界は新型コロナウイルスによる混乱から抜け出せたわけではない。ただ、歩みを止め続けるわけにもいかない。当面は無観客での開催の上、感染拡大をさけるための厳戒態勢を敷きながら、プロ野球は動き出す。

選手たちは、いつかこのときが来ることを信じて、日々調整を行ってきた。「正直、不安もありました」と、選手会長を務める梅野は語る。そして同時に、ついに迎えるこの瞬間への気持ちの高ぶりを口にする。

「このまま開幕できないんじゃないかって、思った時期もありました。練習も、どこか不安を感じながら過ごしていたと思います。ただ実戦を重ねていく中で、ワクワク感というか、熱くなる気持ちが戻ってきました。不安に思っていた時期といまとでは、気持ちは真逆です。いよいよ、待ちに待った開幕がやってくるんだなと」

“気持ち”は万全だ。待った分だけ、溜まったものもあるだろう。例年以上のプレーを選手たちは見せてくれるはずだ。

試合数の縮小。延長10回までの短縮。選手枠の拡張…。いまだかつてない環境の中での開幕であり、なにが起こるかはわからない。背番号44は扇の要として、特殊な状況で迎える2020シーズンをこう分析している。

「実戦が少なかった分、ゲームの中で“普段では起こらないこと”についての失敗だったり、準備だったりというのができていないと思います。ただ、これはどの選手、どこのチームも同じ条件なので、その中でいかに例年と変わらないような気持ちやコンディションを保つことができるかが大事になってくると思います。」

不測の事態にいかに対応し、かつ平常心を保てるか。経験豊富なベテランから若手までがバランスよく存在しているいまのチームならば、きっと乗り越えられるはずだ。

体調面のコントロールもポイントになるだろうと、梅野は分析する。

「例年に比べて試合数は減りますが、日程的には例年よりも詰め込んだ形での試合になる。体力的な面のきつさとの勝負にもなるかなと自分は思っています。試合数が減ったから短い間にグッとというわけではなくて、試合がずっと続いていくわけなんで、体力勝負というのも一番と言えるぐらいのポイントになるのかなと思っています」

濃密なシーズンになるのは間違いない。多くの選手が切磋琢磨しながら、カバーしあえるような“チーム力”が、例年以上に試されるシーズンになるだろう。

当分の間は、ファンも選手たちに直接声援を送ることはできない。困難から抜け出すにはまだ少し時間がかかりそうだが、選手たちはその時を待っている。最後に、背番号44からのファンに向けてのメッセージを届けたい。

「一日でも早くファンの皆さんに近くで野球を見てもらって、応援してもらう中でプレーができることを本当に望んでいます。練習試合も含め、無観客の中でプレーをしてきて選手たちは、いかにみなさんの声援に支えられてきたのかというのを感じています。お客さんが入っていることの中でプレーできるという喜びを噛みしめてのプレーを一日も早くしたいです。そのときがいつになるかはまだわかりませんが、ファンのみなさんが球場に足を運べるときに、チームが優勝を目指して戦えていられるように、しっかりやっていきたいなって思います。テレビ越しから見ることが多くなると思いますが、自分たちもテレビの向こう側で応援してくれているという熱いタイガースファンの気持ちを背負って、喜んでもらえるように選手一丸となって頑張りたいと思うので、皆さんもメガホンやタオルを持って、いろんなパターンで応援してくれたら嬉しいなと思います。応援よろしくお願いします」

いざ、開幕。いつも以上の声援を選手たちに送ってほしい。

声援を浴びる日を思いながら 終了。

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