ひとつの目標を目指して<前編>
いまから8年前の10月、彼はドラフト1位で指名され、阪神タイガースの一員となった。
『即戦力左腕』─。
彼の評価はドラフト時から常にこの肩書きだった。プロ1年目の8月にプロ初登板初先発。2度目の登板でプロ初勝利を挙げると、2年目も少ない出場機会ながら白星を記録。2016年には25試合に登板し自身初となる二桁勝利。翌17年、18年も先発ローテーションに名を連ねるなど、『先発』として、着々と実績を積み重ねてきた。そんな彼が、20代最後の年となった昨年、生まれ変わることとなった。
知っての通り“リリーフ転向”である。これまで先発一筋でやってきた男の、役割が変わった。昨年、淡々と試合数を重ねていく様子に安心感もあったから、意外とも思えるかもしれないが、彼が一軍リリーフとしてマウンドに上がるのは、昨年が初めてのことだったのだ。
「一軍で中継ぎとしてマウンドに上がったのは初めてのことでした。登板もそうなんですけど、ブルペンで待機して出番を待つことも初めてだったんです」
プロ7年目にしての初リリーフ。これまで経験する機会がなかった上に、自身では「できないと思っていた」とも話す。それが、トントンと試合数を重ね、気づいたら自己最多の38試合(その内リリーフ登板は30試合)を数えていた。
ひとつの目標を目指してショートver<前編>終了。
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