あの歓声をもっと味わえるように<後編>
一軍キャンプでのスタート、支配下登録、そして一軍デビュー。初安打、初本塁打にスタメン出場も記録。上の舞台では結果が出せない歯痒さを味わいながらもひたむきにプレーを続け、ファームではタイトルも獲得した。そんな激動すぎる1年を振り返り、一番の思い出だと話すのは、初めて一軍の舞台で出場を果たした、4月24日のことだという。
「甲子園球場での横浜DeNA戦だったんですが、途中出場でセンターの守備につきました。そのとき、外野スタンドのファンの方々からたくさんの声をかけていただいたんです。育成選手だったので、誰も僕のことは知らないんじゃないかって思っていたんですけど、こんなに多くの人に応援してもらっていたんだなあと感じました」
初めは「これまでたくさんの観客の皆さんの前で野球をすることがなかったので…」と雰囲気に圧倒された部分があったというが、プロとしての一歩目を踏み出したときに触れたタイガースファンの熱さ、温かさは、何よりの力になった。ファームに落ちて再調整となる度に、「あの雰囲気で結果を出してこそ」と、上の舞台を思い浮かべた。その向上心がファームでのタイトル獲得に繋がったに違いない。
来季は“もっと”経験したいと思う、忘れられない瞬間も別であった。
あの歓声をもっと味わえるようにショートver<後編>終了。
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