鶴 直人 選手
3月19日、セントラルリーグのペナントレースより一足先にウエスタン・リーグが開幕。この日阪神鳴尾浜球場では、対福岡ソフトバンク戦が行われ、“開幕投手”には成長著しい鶴直人投手が先発登板を果たした。
立ち上がりこそ緊張からか、不安定な投球となったが、中盤以降はソフトバンク打線を完璧に封じ込み7回を散発の3安打で無失点に抑え込んだ。
中西清起ファーム投手コーチは「ファームで一番期待している投手」と言うほどの潜在能力の高さに惚れ込んでいる。このまま好調を維持し結果を残せば、先発投手の台所事情に苦しい一軍へ昇格する可能性も出てくるだろう。
横山龍之介 選手
8回には横山龍之介投手、9回は福原忍投手が3者凡退に抑え、3投手で開幕完封勝利を飾った。福原投手のリリーフ起用ついて中西投手コーチは「しばらくは短いイニングで登板させ再生していく。1球も気が抜けない場面で本人の感覚を思い起こすために投げさせていく」と、12年目を迎えるベテラン右腕の再生プランを明かした。
ウエスタン・リーグでの開幕投手を務め終えた鶴投手は「正直、前半は納得のいくボールは無かったです。それでも開幕投手をさせてもらったので、気迫で投げ抜く事が出来たのが一番良かったと思います。一軍キャンプには選ばれなかったのですが、常に一軍で投げる事を考えて準備をしています。そのなかで自分自身が成長できるように、しっかりとプレーしていきたいです」と、一軍マウンドを目指し、常に向上心を持ってプレーしていることを語った。
開幕のこの日、グラウンドに一番入りを果たしたのは3年目の高濱卓也内野手。平田勝男ファーム監督期待の若トラだが、入団以来毎年の様にケガに苦しんできた。しかし今季は今年こそやらなければならないと言う強い気持ちを全面に出し、キャンプからグラウンドで軽快な動きを見せている。
森田一成 選手
また練習開始前から室内練習場で打ち込んでいたのは、高濱選手と同期入団で昨季から育成枠契約となった森田一成内野手。平田ファーム監督も「打撃コーチには、徹底的に鍛え上げて欲しいと言っている選手」と、長打力のある打撃には期待が大きい。
高濱選手は「2番遊撃」でスタメン出場し、4打数1安打と開幕試合で安打を放ち、
守備でも堅実な動きを見せた。一方の森田選手も「6番一塁」で先発出場し、無安打だったが、貴重な場面で四球を選ぶなど、2打数で1打点と勝利に貢献した。
柴田講平 選手
春季キャンプでは一軍抜擢をされ、2月13日の日本ハムとの練習試合で左手甲に死球を受け、骨折をした2年目の柴田講平外野手は、復帰にはもう少し時間を要しそうだが「順調に回復しています。頑張りますのでよろしくお願いします」と、巻き返し期した。
またルーキーで一軍キャンプに抜擢をされ、大きく注目を浴びた二神一人投手は「本当に残念でしたけど、もう一度しっかり体を作って、更に成長するために出直して一軍を目指します」と力強く話した。
野原祐也 選手
もう一人復帰が待ち望まれる選手がいる。昨季思い切りの良い打撃で結果を残し、7月26日に育成枠から支配下登録選手となった野原祐也外野手だ。
3月14日の教育リーグ対中日ドラゴンズ戦で右手有鈎骨を痛め、以降実戦から遠ざかっているが、本人は「検査の結果、骨折では無かったので良かったです。僕自身にとって昨年以上に今年が重要なシーズンなのは十分に分かっていますから、しっかり治して頑張ります」と、前向きな姿勢で復帰に向けてトレーニングを行っている。
甲斐雄平 選手
ウエスタン・リーグの開幕カードとなった対ソフトバンク戦は、1勝1敗1分けと内容的には満足のいく3連戦ではなかったが、新人で29日に育成枠から支配下登録選手となった田上健一外野手がファームのリードオフマンとして役割を果たし、ドラフト3位ルーキーの甲斐雄平外野手も開幕からスタメン出場し、3月21日の試合では“プロ初アーチ”となる満塁本塁打を放ち、資質の高さを証明するなど、収穫の多いスタートとなった。
今季は横山投手、高濱選手、森田選手と高校から直接プロ入りを果たした選手たちが
ファームのレギュラークラスに成長を見せ、ルーキー選手も加わり昨年までと少し顔ぶれが変わったと言える。
平田ファーム監督は若手を厳しい練習で鍛え上げ、また公式戦や練習試合で実戦を数多く経験させ、ダイヤの原石を更に磨きを掛け、成長させていく方針である。